2章 血のメリークリスマス
第34話 クリスマス?
無事に合流した後、穂花の紹介をして報告を受けた。どうやら黒金、白雪、久遠が進化可能とのこと。
ーー進化候補先
【黒金】
・ブラックゴブリンキング★
・ブラックゴブリンカイザー★
・四腕黒鬼(稀少種)★
【白雪】
・フロストゴブリンクイーン★
・フロストゴブリンエンプレス★
・氷霊白鬼(稀少種)★
【久遠】
・ナイトメアロードホース★
・ナイトメアキングホース★
・スレイプニル変異種★
それぞれと話し合った結果、すんなりと進化先が決まった。朱音の進化に影響されたのだろう。上位の存在の進化ではなく、新たな可能性を求めて選んだ進化だった。
【黒金】
・四腕黒鬼(稀少種)★ ➡️ 進化・・・成功しました。
【白雪】
・氷霊白鬼(稀少種)★ ➡️ 進化・・・成功しました。
【久遠】
・スレイプニル変異種★ ➡️ 進化・・・成功しました。
3人を一度に進化させるのは、俺の身体の負担が大きいな。急激な身体の強化に俺自身の身体がついていけていないようだ。これは少し時間がかかりそうだ。
目標を達成したので久遠、火凜、穂花の背に乗せてもらい帰還した。しばらくは自由行動にするつもりである。
ーー上級迷宮〈煉獄火山〉から帰還して2週間が経過した。進化の影響で体調を悪くしていたが落ち着いて来たのが今日このごろ。
今日はクランでクリスマスパーティーを行うことになった。買い出しも兼ねてクランメンバーの皆で街に買い物に来ていた。クリスマスがなんなのか知らなかった俺は皆から教えられた。
何か可哀想なものを見る目で見られたけど何でだろ?
「こっちこっち!」
雫が先頭になって大きな建物の中へ入っていく。最近できたショッピングモールだ。来たことは無かったけど、存在は知っていた。色々な店が集まっているらしい。
「それにしても凄い人の数だな。」
「クリスマスと言うのもありますが、いつもここはこんな感じですよ?」
いつもこんなに人が居るのか!?
「冒険者用のお店も多いから、冒険者の人も結構来るんだよ。」
「そうなんだね。それなら必要な物があれば買っていこうかな?」
飲食店を回って食事をしたり、服屋で皆の買い物に付き合ったり、流行りの冒険者グッズを皆で物色して楽しんだ。訓練ばかりしてたけど、こういう時間も悪くないと思った。帰る前にお茶をしていくことになった。モール内にあるオシャレな喫茶店で注文したコーヒーを飲みながら休暇について話していた。
「そう言えば、龍人くんはお正月はどうする予定なの?」
「えっ!? クランハウスで過ごしますよ? 皆さんが実家に帰省するので留守番も兼ねてね。身体も本調子には程遠いですしゆっくりする予定です。」
やりたい事もあるしね。
「私は龍人くんと一緒に過ごす予定だったのに! パーティーに参加しなくてはいけなくなっちゃったし!」
「私も正月くらいは帰って来なさいって言われています。」
「折角の長期休暇だしね。家族とゆっくりしておいでよ。活動は学院の開始に合わせるからそれまでクランハウスは閉めるからね。注意してね。」
クランの従業員には日頃の感謝を込めてボーナスを支給してある。メイドの中には正月中も帰省せずにクランハウスに残りたいと言う者も居たが却下した。ここにいたら仕事しちゃうからね。なので、実家に帰らない人には近くの温泉旅館を予約したのでそこでゆっくりしてもらう事にしたのだ。
「そうですか。何も無ければ私の実家にお誘いしたかったのですけど、調子が悪いのは知っているから今回は諦めます。」
「すいません。美月さん。またの機会にお願いします。」
「美月さん、何を然り気無く誘っているんですか。龍人くんも駄目だよ。そうホイホイ女の人についていっちゃね。」
わかったよと雫にかえしておく。
「そろそろ帰ろうか。クリスマスパーティーに遅れて・・」
『キャアアアアーーーー!!!!!』
帰ろうと席を立った瞬間にショッピングモール内に悲鳴が木霊した。悲鳴は至るところで聞こえ、何か良く無いことが起きているのは間違い無さそうだった。
「今直ぐ店を出るのは無理そうだ。状況がわかるまで身を隠す。」
ショッピングモール内にいた客が出口に向かって雪崩れこんでいる。あの中に飛び込む方が危険だ。
「うわぁ~ヤバい事になってるよ!」
「ドミノ倒し状態ですね。下の方は・・・」
生存は絶望的だろうな。それにこの状態だと助けにすら行けない。最悪な事態だな。それにしても何から逃げてるんだ?
『あぁ~テステス。聞こえてるかな? 我々は〈悪の猛獣使い〉である。ここを占拠した悪党だよ。出口は全て閉鎖したから、ここからは誰も出られ無いよん♪ キャハハ、楽しい楽しいクリスマスを邪魔しちゃってゴメンちゃい。代わりに我々から血のクリスマスをプレゼントしよう。思う存分に楽しんでくれて良いんだぞ♥️ それじゃ、皆の健闘を楽しく見させてもらうね。バイバイ♪』
そして小馬鹿にしたような女の声で血のクリスマスが始まった。
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