第26話 魔王のギフト
クランハウス内で雫と萌衣以外のメンバーから詰め寄られ二人に何をしたのかを聞かれた。初めは抵抗を見せた俺だが結局は説明するはめになった。
「ふ~ん、二人は隠れて龍人くんにそんな事されていたんだ。」
「他に方法がわからなかったんだ。初めは気力と魔力を感じられれば良いな位に思っていたんだけど、何かやらかしてしまったらしい。原因はわかっていないけど、二人の変化は間違い無くそれが関係していると思う。」
明らかに二人の成長が異常だった。
「勿論、私達にも同様に試して頂けるのですよね?」
彼女達の顔は笑顔なのに目が笑っていなかった。必死に言い訳を並べたが、肌に触れられるだけであれだけの成果があるのならばと、直ぐに全員が水着に着替えて部屋に押し入って来た。
・・・疲れた。
何回も試した事でとある仮説が生まれた。ああなった原因は俺の気力と魔力で肉体強化と身体強化を試した事が大きな影響を与えたと言うこと。それと俺の魔力で魔力袋に干渉した事で彼女達との間に魔力的な繋がりが出来て『魔王のギフト』が使用可能になった。
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スキル『魔王のギフト』
ランク S
・特定の対象に自身のスキルを一つギフトとして贈る。(ギフトの変更は可能)
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この魔力の繋がりが特定の対象の条件のようだ。
俺のスキルを一つ贈れるけど、俺には一切デメリットは無いようだ。贈ると言っても俺のスキルが無くなる訳でも無く下位互換のスキルを贈れるみたいだった。
このスキルは今は皆に公表する予定はない。先ずはスキルよりも他に優先する事が多いからな。
〈ーー二階堂雫-Side〉
私の職業は『剣闘士』で、誰が設定したかわからないけどS級の職業とされている。
S級と聞いて舞い上がったのは言うまでも無い。両親の反対を押し切って、前から付き合いのある同じS級職業の萌衣と一緒に冒険者学校へ入学した。
入学して直ぐにS級職業同士でチームを組んだ。
今ならわかる。あの時私達は注意を怠った。比較的に安全なゴブリンの森迷宮ならS級の私達なら余裕だってね。
迷宮に絶対は無いのに・・・
迷宮に入る前に情報を集めるのも怠ってしまった。情報を集めていたら迷宮の異常に気づけて引き返せていた。
死んでいた。
龍人くんが助けてくれなかったら全滅だった。
死ぬ思いをして、凄く怖かったけど・・・
私は初めて恋に落ちた
「魔力より気力の方が扱い安いかも!」
「多分だけど職業が関係しているんだと思うよ?」
「なるほどね。わたし『闘剣士』だもんね。」
龍人くんのお陰で魔力と気力が感じられるようになって訓練を続けているけど魔力より気力の方が扱い安いのには直ぐに気がついていた。
「雫は『
「うん。制御が甘いから気力を無駄に垂れ流していたんだよね?」
私と龍人の関係が少し変わった。雫、龍人くんと呼び合うようになった。切っ掛けは魔力と気力を繋げたことで仲が深まったからだと思う。わからないけど、龍人くんを身近に感じるようになった。
「うん。正解だよ。『
「ハハハハ。私は格好良さは求め無いよ! 実用的な『
「う~ん? 魔力は魔力操作と魔力制御の訓練だけを続けよう。ちょっと思うところがあってね、今は判断が出来ないからそれは今度にしておこう。」
「了解! 新しく覚えたスキル『
「まだ早いと思う。『
「うん。そうするよ!」
私は全面的に龍人くんを信用している。私には早いと龍人くんが言うならそうなのだろう。
一応私も考えてるよ! レベル10になって覚えた『
そうだ!
龍人くんの気力と魔力が私の身体に入り交わった結果、私のステータスは数倍にも上昇していた。ステータスは訓練で身体を鍛えるにつれて上がっていた。それは皆が同じでより訓練に身が入るようになった。
ただ一人、龍人はヤラカシタと言って頭を抱えていたがその姿が可愛いので眺めることにする。
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[名前] 二階堂 雫
[年齢] 10歳
[職業] 闘剣士
[ステータス]
L V 10
H P 580/580
M P 360/360
STR 388
INT 265
VIT 430
MND 311
[スキル]
『
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