第25話 魔改造!?
ジィーーーーーーー。
「やっぱり、何か方法があるんだ!」
俺の顔を伺っていた雫が何かを察してつめよって来た。
「あるにはあるけど、女性相手だと難しいと言うか、気まずいと言うか・・・」
「どんな方法なの?」
ゴニョゴニョ・・・
俺は腹部に触れ丹田に気力を流し込む方法と右胸から魔力袋に魔力を流す方法を説明した。
「なるほどね。それは服越しでは難しいの?」
「丹田も魔力袋も重要な基幹だから何かあったら大変な事になる。師匠ですら直接肌に触れて行っていた位だから難しいと思うんだよ。」
「そっか~。なら私で試してみよう! 私は龍人くんには見られても触れられても良いしね。それに水着に着替えたら出来そうじゃない?」
確かにこの世界の水着だったら脱がなくてもいけるかも知れない。
「わかったよ。ここでは何だから部屋で試そう。」
「うん♪」
雫は水着を取りに行くと言って訓練場を出て行き、俺も自分の部屋に戻った。
コンコン!
「入って良いよ。」
「え~と、ごめん。来る途中で萌衣に見つかっちゃった。」
「龍人くん、説明して頂けますよね!? 部屋で雫と二人きり、それもビキニ姿で・・・破廉恥です!」
何で雫は水着姿のままで俺の部屋に来るんだよ! 確かに今はクランに男は俺一人だけども水着姿で歩いていれば注目を浴びる。それもその姿で俺の部屋に来たら問題にしかならない。今にも泣き出しそうな萌衣に誤解だと言って誤解を解くのに結構時間がかかった。
「その方法を試す為に雫は水着になっているのですね。それなら私もお願いします!」
そう言うと、急いで部屋を出て行き水着に着替えて戻って来た。
問題になったのはどちらから先に行うかでもめて、結局同時に行うことで納得してもらった。本当は安全に一人一人の方が良いのだが無理だった。
集中して慎重に行う。
「雫さん、萌衣さん、今から気力を流すから何か感じたら教えて欲しい。」
手を二人の臍の下部に触れて、少しずつ気力を流し込む。徐々に気力量を上げていき二人の丹田に注ぎ込む。
「あっ!? わかったかも!?」
「私も何となく感じました!」
「気力を強めるから、そこに集中してくれ!」
更に気力を強めて行くと、二人は何となく感じていた気力を完全に感じられるようになっていた。
「その感じられた気力を体中に運ぶイメージで動かしてみて。」
俺が丹田に供給した気力が二人の体を満たして行き、二人の身体を細胞単位で造り変えてしまった事に本人は全く気がついてはいなかった。
気力が行き渡ったタイミングで気力の供給を止めて、二人の状態を確認した。
「供給は止めたけど気力は感じられてる?」
「うん! 大丈夫だよ!」
「私も問題ありません!」
「上手く行ったようで良かったよ。後は丹田で生み出した気力を操れるように訓練すると良いよ。」
上手くいって本当に良かった。
「次は魔力だよね? 上だけ外した方が良いかな?」
「付けたまま試してみるよ。それで駄目だったらその時に考えよう。」
二人とも十歳にしては発育が良いんだよな。既に二人には女性特有の二つの膨らみがある。
ふよん!
『うぅん・・・』
二人の右胸に手を置くと柔らかな感触と二人から漏れる声で顔があつくなった。このあたり精神が身体に引っ張られていると実感する。
気を取り直して二人の魔力袋を確認して、徐々に魔力を流す。
本人は気づいてはいないが、魔力をここまで繊細に扱える者はこの世界には居ないと思われる。一般の者が同じような事をすれば、対象は間違い無く死に至るだろう。
活動が乏しかった魔力袋に濃密な魔力が注がれる事で魔力袋は急激に覚醒していった。
「魔力もわかるようになったよ!」
「ここが魔力袋なのですね!?」
「魔力袋には無数の魔力経路が繋がっていて、魔力を操作して魔力経路に魔力を流すんだよ。今回は俺が操作して流すから感覚を覚えて欲しい。」
超越して魔王にもなった龍人の魔力で魔力経路を魔力が循環した事で魔力袋だけでは無く魔力経路まで覚醒したことに気づかず色々とやらかしてしまった事に本人は気がついていなかった。その結果・・
【ーー条件を満たしました。スキル『魔王のギフト』を習得しました。】
そして、魔力の供給を止めて手を離した今でも雫と萌衣に魔力的な繋がりが出来ているのに気づいて、ここで初めて何かやらかしてしまったと気がついた。
翌日の訓練から二人は見違えるような動きになっていた。周りから俺に向けられる視線が痛い。
「日頃厳しい訓練がここで実を結ぶんだね!」
「まだまだ鍛えないと、これ以上は耐えられそうにありません。」
「身体を鍛えて気力で細胞を活性化させて強化させる。これを『肉体強化』と言い、魔力を循環させて身体を強化させることを『身体強化』と言う。『肉体強化』は常時発動型で『身体強化』は動作型になる。」
「気力と魔力の操作は難しいよね。時間が幾らあっても足らないよ!」
「でも強くなるには必須事項です。」
「気力と魔力の鍛練には終わりが無いよ。俺も毎日欠かさずやってるからね。扱える力が多くなればなるほど扱いは難しくなるからね。」
二人にアドバイスを送ってから訓練場を出ようとしたのだが、案の定他のメンバーに捕まり説明を迫られた。
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