第45話 決戦 ②


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ


隣の戦いを考慮して骸骨の数を調整していると言ったところでしょうか?


「そろそろ攻めさせて貰いましょうか!」


【怪力魔王】


「フンッ!!」


腕力を上げて骸骨を一掃する。それと同時に骸骨戦王へと一気に近づく。骸骨が修復される前にわからせてやりましょう。


「フン!!」


ギギィン!!!!!


私の巨斧を骸骨戦王が受け止める。


「ほぉ~眷属にばかり相手させるから近づけば勝負が付くかと思いましたがそうでは無いようだな。」


【ドラゴンブレス】


GAAAOOOO!!!!


練り上げたドラゴンブレスにも耐え抜く程の骨に驚きを隠せ無いでいた。消し炭にする気だったのだがな。


カタカタカタカタ


「うん!?」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ


「おい!? まさか・・・」


骸骨戦王の口がカタカタと動いたかと思うと、骸骨戦王の頭部に骨で出来た王冠が現れた。


粉々にした骸骨が修復と同じくして、骸骨戦王の元へと集まりだす。


「それがお前の本気なのだな。」


骸骨戦王が二回り程に大きくなり腕が2本増えた。それに加え骨が白銀に輝き、骨の強度が上がったのは間違い無いだろう。ドラゴンブレスを耐え抜いた骨が更に頑丈になったと言う事だ。



シッ!


ガガガドーン!!!!


速いだけで無く力でもおされるだと! 人化でステータスに制限がかかっていたとしても力でおされるとは思っていなかった。


ククク、楽しいでは無いか!!


テンションが爆上がりする。身体が熱く熱く燃え上がるように熱を帯びて行く。


巨斧にも熱が伝わったのか、形と色を変えていった。紅蓮を纏いし巨斧を振るう。


炎刃が骸骨戦王を斬る。


ジュッ!


「斬れるなら問題ないな。」


火凜は駆け出し、骸骨戦王と正面からぶつかりあった。巨斧を振りながら、手と足に【炎竜爪】を発動して斧と爪を巧みに使い戦いに組み込んだ。


火凜の戦いの才能は龍人が認める程である。初めて使ったはずの斧を短期間で使いこなした。それは実戦で開花して進化する。


無駄を省き、改善して試す。実力が拮抗する相手との戦いだと尚更である。


傷が一つ、また一つと増えて行くが火凜は止まらない。鮮血が飛び散っても前へと進む。


骸骨戦王の4本の腕から繰り出される大剣を捌きながら本体に攻撃を届ける。確実にダメージを与えているが相手に認めさせる程では無い。


【炎竜槍】


【ドラゴンブレス】


ズゴゴゴーーーーン!!!!!


炎竜槍を空中で待機させ、ドラゴンブレスで上乗せして放つ。


「ふぅ~ようやく修復速度が落ちて来たようだな。」


炎竜槍は骸骨戦王の片腕と片足を吹き飛ばした。即座に修復されて行くが明らかに修復速度は落ちていた。今までの攻撃が無駄では無かったと言うことだ。


「そろそろ最終ラウンドと行こうか! GURARARAAAAA!!!!!」


エクストラスキル【炎竜嚇塵】


ズガガン!!!!


火凜は咆哮と共に骸骨戦王へと巨斧を投げた。巨斧は骸骨戦王を砕き後方へと転がる。そして、エクストラスキル【炎竜嚇塵】を発動した。


以前のように闇雲には発動しない。両腕が紅い鱗で覆われて行く。鱗からは紅いオーラが立ち昇り、気づけば両腕は竜の腕へと変化していた。


完全展開すると、己自身をも破壊する力だが部分展開ならそうでもない。主のアドバイスのお陰で身に付けた力なのだ。


カタカタカタカタ


ボシュッ!


「気軽に触れると怪我では済まないぞ。」


骸骨戦王の剣が触れた瞬間に灰となり崩れおちた。


「大体わかった。ここまでなら問題は無いだろう。」


【炎竜爪】


ズシャ!


爪で骸骨戦王の腕を凪ぐ。骸骨戦王の右腕2本が消し飛ぶ。


【炎竜槍】


ビュン!


左腕の2本も消し飛ぶ。


【ドラゴンブレス】


「GAAAAA!!!!」


首から下を綺麗に消し飛ばす。


「予想通り頭を破壊しなければ消滅することはない。」


ガシッ!!


火凜はエクストラスキルを解除してから、王冠付きの頭蓋骨を鷲掴みにして修復して先から燃やしている。


「諦めて我に屈伏して主の従魔になるのだ。」


カタカタカタカタ


「フン! 我は自身よりも弱い者につくはずがなかろう? あれを見てみろ。あれを見ても同じ事を言えるか?」


カタカタカタカタ


「化け物だな・・・」


どうやら骸骨戦王は負けを認め条件付きで屈伏を受け入れた。


条件は主がスライムを倒すことだ。倒すことが出来たのなら喜んで従魔になると約束を交わした。


勿論、その条件を我は呑んだ。わかり安くて良いからな。


頭蓋骨を燃やすのを止めて、地面に放り投げた。骸骨戦王は修復して身体を取り戻すも暴れることは無く戦いを眺めている。


巨斧を回収して腕輪に戻し我の戦いは終わった。

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