第47話 決戦 ④
朱莉さんから念話がきて少し驚いたけど、建物内で何が起きているかを知らせた。萌衣達の事も聞かれたが、どうやら皆のところは無事に終わったようだ。
【気配察知】で調べたら、全員が氷の壁の向こうに集まって戦いを観察していた。
恥ずかしいところを見せたなと思いつつ戦闘に集中する。
戦ってわかったことだが、相手のエクストラスキル【暴食】は厄介だが色々と制限があるようだ。同じエクストラスキルや魔王スキルに対して効果が薄いと言うことだ。
魔王スキル【氷霊王槍セルシウス】や【蒼炎竜槍イグニール】の攻撃は喰えていなかった。
更に高ランクの武器〈厄災殺しの槍-ディクリス〉も同様の結果だった。手段は限られるが対処する方法があると言うことだ。
俺は周囲にエクストラスキル【
糸は【ステルス】の効果で目には見えない。
俺自身にも傀儡化を発動する。
身体の不調を傀儡化によりサポートする。
セルシウスとイグニールは魔力操作で大間かに操作して糸でサポートする。
ディクリスは[超能力]で操作して糸でサポートする。
【
大盾と大剣に魔力を注ぎ込んだ。大盾と大剣は次第に黒く濁っていき漆黒へと変わった。うん、
グラトニースライムは倒しても直ぐに分裂を繰り返している。大剣で切断し、槍で貫き凪払う。糸で拘束、切断して何度も倒す。
分裂も無限に出来る訳では無いはず。俺の体力が切れるのが先かグラトニースライムの魔力が尽きるのが先かの戦いになるだろう。
そう思っていたのだが・・・
「分裂はもう良いのか?」
プルプル
グラトニースライムは分裂を止めて揺れている。
ゾワゾワゾワゾワ
何だ!? 何が起きた!?
グラトニースライムが・・・この感じ何処かで・・・
あっ!? 進化なのか・・・
ビリビリビリビリ
グラトニースライムの魔力の圧が肌を刺す。
【魔物鑑定】
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
[名 称] 暴食の粘魔王-グラトニス
[ランク] AAA-
[レベル] 1
[称 号] 『魔王』
[魔王スキル] 『大滅星』
[エクストラスキル] 『大暴食』
[スキル] 『高速分裂』『分解吸収』『物理耐性』『王酸生成』『粘液金剛化』
[弱 点] 聖、神聖
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
なぁ!!??
暴食の粘魔王-グラトニス・・・魔王に進化してる・・・
呆けていると暴食の粘魔王-グラトニスは粘液の身体から変化していく。
「人の身で有りながら、わたくしをここまで追い詰めたこと誉めて差し上げますわ。」
人間に見えるが水色の髪から二本の角がかいまみえる。歳は17、8歳と言ったところで容姿は整っている。
「そろそろ決着をつけ無いか?」
「フフフ。えぇ、宜しくてよ。」
「それで提案なのだが、勝った方が負けた方の言う事を聞くでどうだ? 勿論、私を殺してくれても良いよ。私は君に勝って従魔にする。」
「わたくしは器用では無いので死んでも恨まないで下さいな。」
「ククク、問題は無いよ。全力で認めさせる。」
固有スキル【
魔王スキル【黒竜魔眼】
魔王スキル【
【
【黒竜魔眼】を発動して動体視力を向上させる。
【
「血が沸騰しそうだ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔王スキル【黒竜魔眼】
・動体視力を向上させる。
・どのような環境でも視界を保つ。
・[竜の威圧]を発動する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔王スキル【
・魔力で体内に竜炎の命核を宿す。
・怒りと竜の炎で肉体を強化させる。
・怒赫炎竜塵を顕現させる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
熱い・・
プシュウ!!!!
ムクロの形が変わっていき、背の部分から熱を放出する。
「実戦で使うのは初めてだから、少し興奮していたようだ。でも、もう大丈夫だから初めよう。最終ラウンドの開始だ。」
「フフフ、貴方も大概ですわね。初めから全力で行かせてもらいますわ!」
水色の綺麗な髪が無数の触手へと変わり触手の先端は針のように鋭い。更に両腕も剣へと変化させている。
突き刺すような威圧は相手が意図したものでは無く、暴食の粘魔王-グラトニスから自然と漏れだしているものだろう。
ガン!!
動いたのは二人同時だった。俺が振るった大剣はグラトニスの腕で受け止められた。
「硬いな!? 一応この武器はオリハルコン製なんだけどな!?」
「それは残念ですわね。わたくしの硬度はオリハルコンと同等ですわ!」
ガンガン! ギィン!! ガン!!!!
スキル【粘液金剛化】の効果だな。本当に厄介だな・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます