第8話 進化

えっ!? 何で・・・


「今日からFクラスへと編入になる二階堂雫にかいどうしずくさんと獅童萌衣しどうめいさんです。二人とも自己紹介をお願いします。」


「え~と、皆も知っていると思うけど、真甚くんとお付き合いしている兼友人の二階堂雫です。宜しくお願いします。」


付き合って無いよね!? 友達からって・・・


「同じく獅童萌衣です。宜しくお願いします。」


同じくって・・・現実逃避して窓から外を眺める。


「それなら真甚は席を右にずらしてくれ。雫さんと獅童さんは隣に座れ。授業を始めるぞ。」


現実逃避すら許してくれないのかよ。


「真甚くん、宜しくです!」

「真甚くん、宜しくお願いします!」


ハァ~諦めよう。


「二階堂さん、獅童さん宜しくお願いします。」

『はい♥️』


授業は問題無く過ぎた。休憩時に二人に色々なアプローチを受けたけど何とか耐えきった。


家が欲しい。何でかって、自身を鍛える場所と黒金と白雪を気兼ね無く召喚出来る場所が欲しい。


ダンジョン行ってお金を稼ごうかな。


今はゴブリンの森が封鎖中だから〈蟲壺の森〉にでも行って見るか。〈蟲壺の森〉は低ランクの蟲系の魔物が多くでる迷宮らしい。


行く前に二人を《進化》させてから行こう。《進化》についてはずっと考えていて放置していた。黒金と白雪は魔物から俺を守った時に奴と戦闘した。俺が魔物を倒した時に経験値が入り種族限界を迎えていた。魔物の進化は未知の領域でわからない事が多い。


黒金〈ブラックゴブリン〉

→ブラックゴブリンファイター

→ブラックゴブリンソード

→ブラックホブゴブリン


黒金の進化先は3つ。ブラックゴブリンファイターは格闘技に特化した進化。ブラックゴブリンソードは剣だな。ブラックホブゴブリンは力に特化した進化だ。


悩んだ末にブラックホブゴブリンを選択した。


【黒金がブラックホブゴブリンへ進化しました。】


自身のステータスが上昇しスキルを習得した。従魔を成長させる事で自身も強化される。


何で従魔士が不遇職扱いされているかわからないな?


白雪〈ホワイトゴブリン〉

→ホワイトゴブリンマジシャン

→ホワイトゴブリンナイト

→フロストゴブリン


正直マジシャンとゴブリンで迷った。ナイトは騎士だろ? 騎士は俺が居るから魅力を感じない。悩んだ末にフロストゴブリンに決めた。


【白雪がフロストゴブリンへ進化しました。】


ステータスでも確認しておくか。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

[名前] 真甚 龍人

[年齢] 10歳

[職業] 黒骸の魔王

[称号] 『超越せし者』『魔王』『災王を討伐せし者』

[ステータス]

L V 1

H P 18990/18990 

M P 98110/98110 

STR 6311 

INT 3320

VIT 7080

MND 6078

[固有スキル]

摩天楼マテンロウ

黒骸の鎧ムクロ

[スキル]

『従魔契約』『意志疎通』『魔物鑑定』『従魔回復』『従魔強化』

[特殊スキル]

『黒魔王鋼』『怪力魔王』(NEW)『氷魔王槍』『雪幻魔華』(NEW)

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


スキル『怪力魔王』

・魔力で腕力を向上させるアクティブスキル。


スキル『雪幻魔華』

・魔力で幻惑作用のある雪の華を降らせる。雪の華に触れると幻惑と凍傷が付与される。


また、強力なスキルを習得してしまった。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

[名前] 黒金

[種族] ブラックホブゴブリン

[ランク] E+

[ステータス]

L V 1

H P 309/309 

M P 333/333 

STR 511 

INT 122

VIT 500

MND 211

[スキル]

『黒魔鋼』『怪力』(NEW)

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


黒金は一気に大きくなった。体長は180cm位で、見て分かるくらいに筋肉が発達している。


スキル『怪力』

・腕力を向上させるパッシブスキル。


俺のスキルとは違い常時腕力が上がっている状態である。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

[名前] 白雪

[種族] フロストゴブリン

[ランク] E+

[ステータス]

L V 1

H P 209/209 

M P 633/633 

STR 111

INT 555

VIT 130

MND 511

[スキル]

『氷魔槍』『雪華』(NEW)

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


白雪はそんなに大きさは変わっていないけど、ゴブリンぽく無くなった。どちらかと言うと人間の子供に近いかも知れない。


スキル『雪華』

・雪の華を降らせる。雪の華に触れた者に凍傷を付与する。


《進化》って凄いな・・・


この学院は基本的に午前は授業、午後は各自班毎に訓練したり迷宮を探索している。ボッチである俺は一人で迷宮を探索してお金を稼いでいる。学院を卒業した後に生活に困らないようにね。


迷宮行きのバス停でバスを待つ。其処に最近友達となった少女達がやってきた。


「真甚くん、見つけた。迷宮に行くなら一緒に行こう!」


「ついでですし、真甚くんのグループに入れて下さいね。」


「グループって・・・俺は一人だからグループは造ってないよ?」


「それは大丈夫です。先ほど申請して受理されました。」


俺の意見は?


「私達では駄目でしたか・・・」


二人の表情がくもる


「嫌、駄目とかじゃ無くて」


「それなら問題無いですよね?」


二人には勝てそうに無いな。


「わかったよ。それで二人の職業を教えてくれないかな?」


「わかりました! 私は『聖騎士パラディン』です。」


「私は『剣闘士グラディエーター』だよ!」



・・・マジで? 


「二人ともSクラスに戻ったら?」


『嫌です(だよ)!』


Sクラスの恩恵は多岐にわたる。訓練設備から十全なサポートまで色々だ。卒業後の心配もいらない。エリートコースまっしぐらだ。それを蹴ってまで・・・


「わかった。もう何も言わないけど後悔だけはしないようにね。」


迷宮〈蟲壺の森〉に着いた。早速探索を開始しよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る