第32話 レッドドラゴン
上級迷宮の探索は従魔達がやる気を出しているせいかハイペースで進んでいた。進化した朱音が加わっているため奥へ進んでも戦えている。
その時、上空から何かが飛来した。紅いに染まる竜。それは亜竜のような紛い物では無く、歴とした竜でその存在感は最強たらしめる程のプレッシャーを放っていた。従魔にするのに申し分ない。
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[名 称]
[ランク] A-
[レベル] 36
[エクストラスキル] 『炎竜嚇塵』
[スキル] 『竜眼』『炎竜爪』『炎竜槍』『ドラゴンブレス』
[弱 点] 氷
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ドスン!!
レッドドラゴンが地面に降り立った。その衝撃で木々が吹き飛び更地に変える。
「レッドドラゴンを従魔にしたいと思います。離れて待機していて下さい。」
「おいおい! レッドドラゴンを一人で相手にするのかよ!? 流石に危険過ぎるだろ!?」
「説明していた通り、従魔にするには俺自身を認めさせる必要があるんです。それと蓮司さんと朱莉さんには気力と魔力の可能性をお見せします。」
「任せて大丈夫なのね?」
「えぇ、問題ありません。安心して待機していて下さい。」
久し振りに少し本気を出そう。
固有スキル【
スキル【黒魔王鋼】
スキル【怪力魔王】
エクストラスキル【
黒骸の鎧で身体を覆い、黒魔王鋼で肉体を強靭に造り変え、怪力魔王で限界まで腕力を上昇させる。そして、以前まで耐えられなかった【
キシキシ
黒鋼化した身体が軋むが以前とは比べられないほどに纏えている。これなら!
ダン! バガン!!
ズドドーン!!
ここまで強化すれば、素手で竜にダメージは与えられるみたいだな。竜に拳を叩きつけ地面を転がる。痛みに困惑しているのか動きは無い。
【万王脚】
ズン!
GURARARAAAAA♪
すかさず蹴りを叩きつける。巨体の竜の身体が揺れる。ダメージが通ったのは間違い無い筈なのに竜の雄叫びは何処か嬉しそうに聞こえる?
GURAA!!
炎を纏った爪が振り降ろされる。黒骸の鎧の右腕部分を【黒魔王鋼】で硬度を上げて受流す。
ガギギィン!!
物理・魔法に高い耐性を持つ黒骸の鎧に爪痕が刻まれる。焼き斬れたような傷だった。
GURA!!
スキル【氷魔王槍】
ゴオオオーーーーン!!!!
レッドドラゴンが吼えると周囲に炎の槍が浮かびあがる。その槍を氷の槍で相殺する。魔力量では負ける気がしない。
GURU♪
次々に発射される槍を全て撃ち落としたが砂が舞って視界が悪くなる。それを狙ったように特大なドラゴンブレスが視界を覆った。
コイツ、頭が良いな!
騎士王術-戦技【絶対防御】
上級迷宮で入手したアダマンタイト鉱石より造り出した盾を構えて戦技を発動した。アダマンタイト鉱石はレア鉱石だが最高峰の硬度を誇る代わりに凄く重い鉱石で需要は少ない。戦闘で使う者などまずいない。
ぐうううぅぅ・・・
衝撃と熱さに堪え忍びおさまるのを待った。倒したと思って油断しているところを狙う。
スキル【氷魔王槍】
エクストラスキル【
・・・・・・
氷魔装【氷槍セルシウス】
スキルを組み合わせて、俺が振るっても壊れない氷の槍を創り出した。【氷槍セルシウス】は常に冷気を発し、周囲を凍てつかせる。周りに人が居ると危険で使えない槍である。
これで決める!
騎士王術-奥義【
殺さないように力をセーブして突進した。目にも止まらぬ速さで駆け抜けレッドドラゴンの身体に槍が突き刺さる瞬間
GURURU♪
レッドドラゴンが炎上した。身体全体から炎が吹き出し炎の勢いは増していく。まさか!? 自爆するつもりか!
攻撃を仕掛けているレッドドラゴンの身体が炎の勢いと共に崩壊している。逃げることは出来るが、その場合はレッドドラゴンと従魔契約する前にレッドドラゴンが死ぬ。それにここで逃げたら負けた気がする。まずは・・・
スキル【暗黒領域】
俺を中心に暗黒領域が広がり、レッドドラゴンを呑み込む。暗黒領域内ではスキルや魔法を封じられる。勿論、俺も対象なのだが
スキル【暗黒王】
暗黒王を使用すると、暗黒領域内でのステータス上昇、スキルと魔法が使用可能になる。正に相手からすると最悪なスキルである。
氷槍セルシウスを空中に浮かべて魔力を注ぎ大きくする。それをレッドドラゴンの前に浮かべる。
レッドドラゴンが纏っていた炎は霧散して暗黒に消え、視界を失ったレッドドラゴンは困惑していた。
パチン!
暗黒領域を解除して巨大な氷の槍を突きつける。
「これで俺の勝ちで良いよな? 負けを認め俺の従魔になってくれるなら攻撃を止めよう。どうする?」
GURURU
「敗者は強者に従うものだって。そうか、ならこれから宜しく頼むよ〈火凜〉。」
スキル『従魔契約』が発動して無事に成功した。火凜からスキルと力が流れ込んでくる。
【ーー真甚龍人のレベルが78へ上がりました。条件を満たしました。スキル『魔王の晩餐』を習得しました。】
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