第21話 夜馬
魔物の群れの先には暗闇が広がっていた。
そして、その中心には暗闇に溶け込むように佇む巨大な馬の魔物が見えた。
『魔物鑑定』
へぇ~〈ナイトメアホース〉と言うのか? 魔法職の天敵のような能力だな。
従魔にしたいな。前世でも愛馬が居たくらい俺は馬好きなのである。あんな立派な黒馬が目の前に居るのだから従魔にしない手はない。
そうなるとナイトメアホースにわからせる必要があるわけだな。
暗闇に足を踏み入れると、視界が暗闇に覆われ魔力が乱れた。
フム。あれを試して見るかな。
固有スキル『
黒い流動的な物体が身体を覆い軽鎧へと形を変える。
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固有スキル『
ランク 〈UC〉
・鎧の形質と形態を自在に変化させる。《形質・形態変化》
・高い物理、魔法、状態異常耐性を持つ。《物理・魔法・状態異常耐性》
・鎧にスキルを纏わせ効果を向上させる。《黒骸》
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ヒヒィーーーーン!!!!
「おお! 凄いな! 周囲一帯を夜へと変化させ〈暗闇〉と〈魔力妨害〉の効果を付与させるのか!」
ガンッ!!
鎧を装着した事で暗闇に覆われていた視界が晴れた。そして、ナイトメアホースの後ろ脚が目の前へと迫っており、瞬時に《黒魔王鋼》を鎧に付与させて防いだ。
攻撃を防いだことで周囲に衝撃波が走るが、防いだ俺の腕はかすり傷一つ負わなかった。
ふぅ~鎧に付与させたことで〈魔力妨害〉の効果は俺には効かないようだ。ただし、氷の槍のように遠距離から放つ場合は槍が手から離れた瞬間に〈魔力妨害〉の影響を受けて効果が著しく低下する。
ヨイショ!
ヒヒィン!!!!
後ろ足からの攻撃を防いだ後にナイトメアホースの背に飛び乗った。ナイトメアホースの鬣を掴み、両足の力で身体をナイトメアホースに固定させる。
暴れに暴れ回るナイトメアホースの背に乗り、徐々に魔力の圧を強めて行く。どちらが上かをゆっくりとわからせるのだ。どんなに暴れても意に返さず、堂々と乗り続ける。次第にナイトメアホースも魔力の圧に圧されて大人しくなっていった。
完全に屈服したのか暗闇は晴れ、ナイトメアホースはその場で大人しくしていた。俺はナイトメアホースから飛び降りて向かいあった。ナイトメアホースの紅い瞳と俺の瞳が交差する。直感で問題無いと判断して契約を行使する。
《従魔契約》
「お前の名は〈
ヒヒィーーン♪
うぅ・・力が溢れて来る。どうやら契約は上手くいったようだ。頭をすり寄せて来る久遠を撫でながらステータスを確認する。
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[名前] 久遠
[種族] ナイトメアホース
[ランク] C+
[ステータス]
L V 31
H P 2850/2850
M P 1380/1380
STR 1980
INT 1330
VIT 1030
MND 1788
[スキル]
『暗視』『万脚』『夜誘い』『夜王』『人化』
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[名前] 真甚 龍人
[年齢] 10歳
[職業] 黒骸の魔王
[称号] 『超越せし者』『魔王』『災王を討伐せし者』
[ステータス]
L V 50
H P 5280/5280
M P 71800/71800
STR 3866
INT 1920
VIT 3110
MND 2880
[固有スキル]
『
〈黒金〉〈白雪〉〈朱音〉
『
[エクストラスキル]
『
[スキル]
『従魔契約』『意志疎通』『魔物鑑定』『従魔回復』『従魔強化』『感覚共有』『従魔融合』
[特殊スキル]
『黒魔王鋼』『怪力魔王』『氷魔王槍』『雪幻魔華』『魔王鋼糸』『魔王粘糸』『魔王翼刃』『気配察知』『暗黒視』(NEW)『万王脚』(NEW)『暗黒領域』(NEW)『暗黒王』(NEW)
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「主殿、こちらは全て片付きました。それで、その魔物は新たな仲間でしょうか?」
ステータスを確認していると、朱音と黒金を先頭に近づいて来た。
「朱音の後輩になるナイトメアホースの〈久遠〉だ。皆も仲良くしてやってくれ。久遠、お前と同じ俺の従魔達だから先輩の言う事はちゃんと聞くんだぞ。」
ヒヒィーーン♪
「ギャガ!」
「ギャウ!」
「ええ、こちらこそ宜しくお願いします。」
久遠も仲間だと認め好意的に3人と触れ合っている。
「朱音、外へ出て萌衣さんに連絡を取って蓮司さんに来て貰えるように頼んでくれ。流石にこの事態を隠すのは難しい。」
初級の迷宮でスタンビートが起こった事は報告しないと不味い案件だ。
「急ぎ連絡してきます。」
朱音は消えるように居なくなった。
「それが今回のスタンビートの原因となった魔物ですか?」
「そのようですね。でも、本当の原因は久遠では無く、久遠を初級迷宮に転移させた人間のようです。散々挑発されてから転移させられたと言っています。」
「言っている?」
「あぁ、私は従魔と意志疎通が出来るんです。従魔士の能力ですね。それで久遠に聞いたら色々と教えてくれました。」
「そ・そうなのですね。そうだ、お礼がまだでしたね。私は札幌冒険者学校3年A組
可能性は高いと思っていたけど先輩だった。
「え~と、札幌冒険者学校1年F組の真甚龍人です。先輩達を助けられて良かったです。お礼はその言葉だけで十分です。その代わり、この後は口裏を合わせるのに御協力下さい。」
彼女達は3年A組の生徒でグループを組んで活動しているみたいだ。これでも3年生で上位に位置していると言っていた。
前衛の
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