第12話 紅い彗星?
朱音の拘束を外して自由にする。朱音は静かに俺の指示を待っている。
「仲間を紹介するから着いて来い。」
離れた場所で様子を伺っている仲間の元に向かう。
「新しく従魔になった〈朱音〉だ。朱音、こちらが雫さんでこっちが萌衣さんだ。俺の大切な友達だから仲良くしてくれ。後は朱音の先輩の黒金と白雪だからわからない事があれば聞いてくれ。黒金と白雪も頼むな。」
ギャガ!
ギギィ!
「宜しくね。朱音さん。」
「宜しくお願いします。朱音さん。」
打ち解けた所でボス部屋を目指す。今日中にボスを倒して帰りたい。
「朱音は斥候に徹してくれ、戦いは今まで通り4人で行こう。」
朱音が加われば戦闘に成らない。
「ただし、危険だと思ったら介入してくれ。それじゃ行くか。」
奥へ進むにつれて、魔物のレベルは高くなっているのだが、4人はそれを寄せ付けずに蹴散らしている。
「予想より早くついたね。朱音、粘着糸で俺達を囲ってくれ。少し休憩する。」
ギィ!
慣れて来たのか、メニュー表から各々食事を注文して食べる。朱音は黒金達と一緒の漫画肉を美味しそうに食べていた。
「ここのボスって大きいカブトムシだったよね。」
「そうだよ! ビートル。」
「突進力が強くて、凄く頑丈な魔物だと聞いています。」
「4人で頑張ってみる?」
出来るだけ経験をつませてあげたい。
『やる!』
ボス部屋の前には必ず大きな扉が設置されているらしい。その扉を潜るとボスが現れる。
「デカイっては聞いてたけど、本当にデカイんだな?」
「何か聞いてた話しとちがくない!?」
「私もそう思います!?」
ーー魔物鑑定
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[種 族] レッドビートル
[ランク] D
[ステータス]
L V 25
H P 360/360
M P 120/120
STR 444
INT 111
VIT 589
MND 433
[スキル]
『飛行』『炎突』『赫甲殻』
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「レッドビートルみたい。」
「変異種!?」
「レアボスと思えば良いんじゃない? 4人で戦って無理そうなら朱音か俺で仕留めるから色々試してみると良いよ。」
無理な相手では無さそう出しね。
前に進むと、こちらに気づいたのかレッドビートル威嚇してくる。構わずに先へ進むとレッドビートルは羽を広げ飛びだった。どうやら戦いが開始されたようだ。
ガン! ガン! ガン!
飛行からの角での突進を黒金が衝撃を逃がしながら受け続けている。流石に萌衣の盾だと厳しいと判断したようだ。
「飛ばれると厄介ね!」
「ギャギャ!」
「お願いします。」
ずっと一緒に行動しているからか、スキルが無いのに意志疎通が出来ているようだ。
ガイィィーン!!
「おお! 上手いな。今のタイミングは完璧だったぞ。」
グサグサ パキパキン!
「今です!」
黒金の〈シールドバッシュ〉からの白雪の『氷魔槍』でレッドビートルの羽を凍らせて飛べなくし、萌衣さんと雫さんで攻撃に出る。
頑丈なレッドビートルの甲殻に傷が増えていった。だけど、傷が増える伴いレッドビートルの甲殻が燃えるように紅く染まっていく。次第に二人の攻撃が効きづらくなっていた。そして・・・
ギシャアアアーーーーー!!!!
レッドビートルの角が燃え上がり、凄い勢いで突進してくる。
ズガン! ベキッ! ボオォォーーー!!!!
『黒金さん!!』
皆を守る為に前に出て盾で防ごうとした黒金だったが、上手く衝撃を逃がすことが出来ずに盾を壊され炎に覆われた。
「ギャガ・・・」
黒金は全身に『黒魔鋼』を発動していたお陰で軽い火傷ですんだ。まぁ、それがわかっていたから何もしなかったんだけど。それにあのスキルを使われては、今の4人には勝ち目が無い。
「朱音、拘束しろ!」
「ギィ!」
朱音の『魔鋼糸』がレッドビートルを拘束する。レッドビートルが激しく動いて逃れようとするがびくともしない。
「4人ともご苦労様。予想よりレッドビートルのスキルが厄介だった。今の4人では倒せる手段が無さそうだ。」
4人が悔しそうにうつむく。
「気にする必要は無いよ。帰ったら4人とも次の段階に進んで貰う。暫くは訓練中心になるから覚悟しておいてね。」
魔力を注ぎ込み『氷魔槍』を発動。圧縮して氷の槍を創りだし一閃する。レッドビートルは綺麗に両断され消えて行く。
《ーー迷宮蟲壺の森が攻略されました。攻略者には報酬が贈られます。》
金の宝箱が一つ、銀の宝箱が一つ、銅の宝箱が一つが現れた。これが報酬らしく開けて中を確認した。
銅の宝箱 ー 中級体力ポーション
高価なものらしいけど、いずれ摩天楼ショップで買えそうなので、あんまり嬉しく無いな。
銀の宝箱 ー 守りの護符
VIT値を1.2倍上昇させる護符のようだ。これは萌衣に持たせよう。
金の宝箱 ー 宝珠レッドアイ
炎の力が宿った宝珠。希少な物ゆえ世に余り出回らない。鍛治屋に取り込んだら新しいレシピが出ていた。
他にはレッドビートルの角、甲殻、羽がドロップとして入手出来た。
ボスを倒すと転移陣が使えるようになる。これを使えば入口まで一瞬で戻れる為に来た道を戻らなくて良いため便利である。
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