第6話 魔具羅駝
「レオン! 私があなたに特別な魔法を教えてあげる。ゲイトの何かより凄いんだから!」
ゲイトリュートといつもの模擬戦を終えた後に魔女の格好をした少女に絡まれた。相手は最年少で《魔導王》の称号を賜った最強の魔法士アイナ・ブラットレイだった。
「いや・・・俺は魔法が苦手何だが?」
「そうだぞアイナ。レオンは俺との模擬戦で忙しいんだ。邪魔すんな。」
「うっさい! レオンには私の魔法が必要なの! だからゲイルは引っ込んでろ!」
「何だとう!」
「二人とも喧嘩するんじゃない。」
二人を宥めて、結局はアイナに付き合うことにした。
魔神との最終決戦の少し前にようやく一つの魔法を習得した。アイナに教わり始めて5年が経過していた。
「レオン! 折角私が教えたのだから必ず生きて帰って来なさいよね!」
アイナとの最後の会話である。アイナは俺達を魔神の元に送り届ける為に兵と共に魔物を引きつけてくれた。ハァ~結局約束を破ってしまったな。ごめんな、アイナ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ギャガ!
ドン!
ギャギャガ!
ズドン!!
ギャ・・・
何がおきている??
「黒金? 白雪・・・」
目の前には瀕死の状態で倒れている黒金と白雪の姿があった。そして、今まさに奴がとどめをさそうとしていた。
ブチン!
俺の中で何かが切れた。俺の不甲斐なさと弱さに怒りがこみ上げ、第二の人生だからと達観し簡単に死を受け入れた。あぁ・・違う・・そうか。俺はまだ今の人生を受け入れていなかったんだ。何処か他人事のように考えていた。駄目だなコレじゃ。フゥ、一から始めよう。先ずは
「おい、お前。俺の仲間に何してんだよ!」
ドン!
アイナ、使わせて貰うよ。
アイナ式極限魔法『
無駄に多い魔力が溢れだし、魔装へと造り変えていく。アイナが俺用に創り出した魔法『魔具羅駝』は魔力を身体と武器に纏わせる魔法だったんだけど、前世では魔力はそこまで多くなかったから武器に纏うのがやっとだった。今世では・・
パキパキパキパキ
スキル『氷魔槍』+ 魔法『魔具羅駝』
うん。良い感じだな。手に良く馴染む。
GARAA!!
「お前は強い。だけど俺も負けられないみたいだ。死力を尽くしてお前を倒す!」
何だろう。この高揚感は懐かしい。
魔力は出し惜しみはしない。体力も残り少ないからな、勝つ可能性があるなら一撃で核を粉砕させるしかない。
スキル『黒魔鋼』
ゲイトリュート武神術 秘奥技『闘峯身氣』
騎士王術 戦技『多連螺旋撃』
ダダダダダダダダダダ
一時的だが速さ、力が拮抗した。
見つけた!
騎士王術 戦技『
ビキッ!
身体がきしんだ。持ってくれ!!!!
奴は一度この技を見ている為に直ぐに反応をしめす。
バゴン!
槍を地面に突き刺し爆発させる。圧縮されていた氷と地面が舞った。
騎士王術 秘奥義『リヴェジャースピア』
Garyu!?
お前が戦い方を身に付けていて、戦いの経験があったのならば勝敗は逆だっただろう。
俺は核の位置を確認する為に、戦いのさなか色々と探っていた。候補を絞り、核の位置を変えられる魔物かそうで無いか。多連螺旋撃で核の位置を確定させ、戦技で目眩ましを行い、最大火力で核を粉砕した。
【ーーレベルが上がりました。】
【ーーレベルが上がりました。】
【ーーレベルが上がりました。】
【ーーレベルが上がりました。】
【ーーレベルが上がりました。】
・・・・・・
レベルアップが鳴りやまない。
グラ・・・
ガタッ
ヤバイ・・・身体が・・・
【ーー条件を満たしました。これより進化を開始します・・・
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
うん・・ここは・・・そうか、俺は倒れていたのか。
身体の異常は・・・問題は無さそうだな?? 何でだ??
そうだ!
「黒金! 白雪! 大丈夫か!!」
「ギャギャガ・・」
「ギャ・・」
「二人ともありがとう。助かったよ。後はゆっくり休んでくれ。」
ぼろぼろだが大丈夫そうだ。急いでポーションを買って二人にぶっかけて摩天楼に帰す。
奴を倒した場所には槍が一本だけ落ちていた。それを回収して洞穴から出ると捕まっていた男子生徒だけが木の陰で寝かされており、直ぐ近くにこちらへ向かって来ている冒険者を確認出来た。どうやら女子生徒が助けを呼んでくれたらしい。俺は見つかる前に隠れてダンジョンを出た。
何が起こったんだ!?
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[名前] 真甚 龍人
[年齢] 10歳
[職業] 黒骸の魔王(CLASS-UP)
[称号] 『超越せし者』『魔王』『災王を討伐せし者』
[ステータス]
L V 1
H P 18180/18180
M P 97810/97810
STR 6111
INT 3220
VIT 6980
MND 5998
[固有スキル]
『
『
[スキル]
『従魔契約』『意志疎通』『魔物鑑定』『従魔回復』(NEW)『従魔強化』(NEW)
[特殊スキル]
『黒魔王鋼』(CLASS-UP)
『氷魔王槍』(CLASS-UP)
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何が起きたんだ? レベルが結構上がった筈なのに1へと戻ってる。それにステータスの上がりが異常過ぎる。特に魔力の上がりが可笑しい。特殊スキルがクラスアップ、固有スキルも増えてる。職業もクラスアップして物騒な物に変わってる・・・
ーー幾ら考えてもわからないものはわからない。ひとまず放置することにしよう。
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