第7話 友達


翌日には身体は問題無く回復して、通常通り学院へ来ていた。迷宮ゴブリンの森は封鎖され調査が入っているようだった。囚われていた学生はどうやらSクラスの生徒だったらしく、朝からその話題で持ちきりだった。


学院に通うようになって暫く経つが俺はボッチだった。どうやらこの学院では従魔士の俺に関わろうとする者はいなかった。まぁ、俺も教室では目立たず空気のように溶け込んでいるので俺を気にする者など一人も居ないはずだった。


ハァ~強くならないとな。俺が生き残れたのは偶々だ。次は多分死ぬ。そうならない為にも一から鍛え直さないとな。


(ざわざわざわざわ)


新しく習得した固有スキルの確認も必要だな。


(おいおい、何であの二人がFクラス何かに来るんだ?)


(やべぇ~めっちゃ可愛いんだけど。)


(付き合いてぇ)


そう言えば黒金と白雪の怪我は大丈夫かな? 今回は二人には助けられた。二人を鍛えるのも面白いかも知れないな。


「やっと見つけた!」


うん?


「私と結婚を前提にお付き合いして下さい!」

「ちょっと萌衣、一人だけ先に言うのは狡いよ! 私も結婚を前提にお付き合いして下さい!」


えっ!? 結婚を前提にお付き合い? 意味がわからないんだけど。後ろを振り返るけど窓しか無い?


彼女達の突拍子の無い言葉に理解が追い付かず思考を停止していたクラスメートが徐々に現実に戻って来て一斉に叫んだ。


『えええええぇぇぇ!!!???』


俺も一緒に叫びたくなったが、きっと何かの間違いだと思いたい。再度、後ろを確認するが誰も居ない。


「確認するけど、俺じゃ無いよね? きっと人違いだと思うんだけど・・・」


クラスメートの視線が痛い。


「フフフ、私が貴方様を間違う筈がありません!」

「間違えるわけないよ!」


ええ~俺は全く思い当たら・・・


「あぁ! そうか・・・あの時の・・・。無事だったのは知っていたけど、元気な二人の顔を見れて嬉しいよ。」


あの時は余裕がなくて、あまり顔を見ていなかったから気づくのに時間がかかってしまった。


「私も貴方様と再会出来て良かったです。上着に入っていた冒険者証が無ければ探すのに苦労していたところでした。」

「冒険者証無くしたと思って探しに行こうとしたんだけど、封鎖されていてどうしたもんかと考えていたところだったんだ。そうか、上着に入れてたんだった。届けてくれて、ありがとう。」


昨日無くしたのに気づいてどうしようか悩んでいたんだよね。見つかって良かった。


「萌衣様、雫様も冗談が上手い。そいつは底辺の従魔士何ですよ。御二方が付き合うには値しない者です。」

「私もそう思います。それでは」


ガシッ!


二人の後ろをついて来ていた学生に同意して教室を出ようとしたら右腕と左腕をホールドされてしまった。二人の美少女にピッタリとくっつかれて、クラスメートの男子からは殺意のある視線が俺に突き刺さる。


「駄目です。諦めて下さい。」

「そうだよ。君以外に考えられないよ。もうね、職業とかどうでも良いよ。私は君が大好きなんだ。」

「それに貴方には私達のあられもない姿も見られているので責任も取って下さいね。」


誤解を生むような事を言わないでくれるかな。もうね、教室の空気が重いよ。それにあの時はそれどころでは無かったから裸も顔もそんなに見て無い。それに子供の身体にはそもそも興味が無いです。


「ほら、俺は君達のこと全然知らないし、お友達から始めるのはどうかな? もしかしたら他に良い人が見つかるかも知れないしね。」

「それでは決まりですね。お友達から始めましょう。」

「オッケー。」


二人の笑顔が恐い。まぁでも、今世で始めて友達が出来た。


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★摩天楼システム 《従魔許容数 2/6》

・摩天楼拡張 《2/10》(UP!)

※〈摩天楼の主〉の魔力で摩天楼を拡張します。拡張に伴い《従魔許容数》、《施設設置数》が増えます。

・魔力濃度増大 《2/10》(UP!)

※〈摩天楼の主〉の魔力で摩天楼内の魔力濃度を増やす。魔力濃度が増す事で魔物の成長速度を速めます。

・摩天楼ショップ《2/10》(UP!)

※摩天楼ショップで〈魔物の魔核〉で買い物が可能に成ります。

・施設設置 《4/4》 〈集合住宅〉〈食堂〉〈

服屋〉〈鍛冶屋〉(NEW)

※〈摩天楼の主〉の魔力で施設リストにある施設を設置します。

・従魔リスト 〈黒金クロガネ〉〈白雪シラユキ

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摩天楼の拡張も終わらせ、施設〈鍛冶屋〉も追加した。次の拡張が終わるまで1週間もかかる。


魔力濃度も上げたけど、俺には何が変わったのかわからない。


摩天楼ショップは商品が更新される仕様らしい。下級回復ポーションやちょっとした雑貨しか売られていなかったんだけど、毒消しやスタミナなど色々なポーションがおかれるようになった。純度の低い鉄鉱石までおかれている。


設置した〈食堂〉では料理を作ってくれる。作ってくれる料理は食材を提供する事でレシピが増えるようだ。これでドロップした食材を摩天楼に保管出来るようになった。


次に〈服屋〉だけど、これも材料を提供することで服を作ってくれる。試しに摩天楼ショップで糸を購入して服を造らせている。


最後に〈鍛治屋〉だが、これも同じで材料を提供して武器を造らせている。摩天楼ショップで購入した鉄鉱石で剣と槍を造らせているところだ。


そう言えば、あの魔物から回収した槍を鍛治屋に預けたところ、槍の詳細がわかった。


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厄災殺しの槍-ディクリス

ランク S

攻撃力 10000

魔力伝導率 200%

特殊効果 『厄災殺し』『破怪槍』『黒陽』

使用条件 称号『災王を討伐せし者』を所持している者

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『厄災殺し』:厄災の魔物へ絶大なダメージを与える。但し、厄災の魔物以外への攻撃は半減する。


『破怪槍』:装備時に筋力を大幅に上昇させる。


『黒陽』:槍に黒炎を纏う。


使う機会は早々無いな。無いよな??

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