第47話

「楓さんのために使ったんじゃないかと」


「そうなんですか?」


「悠星さんから聞いた話によると、鈴野さんはあなたのために命を懸けられると話したとか」


「…そうなんですか?」


「はい」


「私、なんでこんなになっちゃったんですかね…。母親のせいになってるけど、私が弱いせいですよね」


「んー、まぁ若いから仕方ないんじゃないですか?」


「なんでですか?」


「間違えることもあります。俺だって間違えて借金の保証人になったり、逮捕されたり散々でしたから」


「…逮捕?」


「そーなんですよ。そんで、今は借金返済のためにキャバクラのボーイしてるんすよ?まじ辛いっしょ?」


「そのわりに笑ってますけど」


「俺には友達も、家族もいるんで。幸せなんです。別、辛くないんですけどねー?話すとよくそう思われるんすよね」


「私も、そう…」


「だから、楓さん。別にわざわざしんどくしなくてよくね?はー、ゴロゴロしてぇから今日は筋トレしなくていいやー」


「天野さん、結構だらしない」

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