天野さん

第22話

天野さんが帰ってから、もやもやしてすごした。翌日学校に行ってもそれは続いた。

けど、答えは出ない。りこには危害を加えたくないし、それに学校を辞めるのも、伊織くんが悲しむ。お父さんだって…。


学校から帰って家にいたところ、ドアを叩かれた。これは、天野さんだ。


「はい…」


「こんにちは」


「あの、鈴野くんはいません。バイトで」


「2人で話したいです」


「え」


「俺が怖いですか?」


「い、いえ」


どういうこと?

りこのこと?


「鈴野さんが入らないように、結界を張ります」


ん?


なんか、ドアにお札貼ってる。それに、なんか、勝手に家の中に上がってるんですが。


「ほかの出入り口は?」


「え、と、窓も?」


「あー、鍵閉めても開けそうですか?」


「わかりませんが」


「貼りましょう」


なにするんだろう?わからないけど、案内してしまった。お茶を入れようとしたら、なんでかわからないけど、ソファーを勧められた。


「座ってて下さい」


天野さんも反対のソファーに座る。


「それでははじめます」


ん?お経…?

天野さん目を閉じてる。いったいなにをするんだろう?りこにやっぱり、返す?いや、許可してない。けど、なんでか、眠くなって、反応できない…


ぼんやりしてきた…


「あ、どーも!」


ん?声がする…なにここ…

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