後日

第28話

翌日、お昼に天野さんの家の近くの公園で話している。


私がコンビニに行ってる間に、家に戻ってきてお札を回収したらしい。それから、私と明日会いたい、昼頃に寺の近くの公園に来て欲しい、と一方的に言って帰ったとか。


「なんだったんだろう、悩んでたのが」


学校はすぐ辞められた。

天野さんのいる寺は、うちからだいぶ遠いことを昨日伊織くんから教えてもらった。電車移動で、わざわざやってきた。そして、話したいこと話してと言われたから話している。


「それで、逢坂さんはなんて?」


天野さんはおにぎりを食べている。なぜか私の分もあったからもらった。


「それが、夜なら会えるから会いたいって。これからも友達でいたいって」


「へー、いいっすね」


「私のなにが気に入ったのかわからないけど、嬉しい」


「あー、俺思い出したんですけど」


「なにを?」


「逢坂さんってアイドルでしたよね?それの、AV見たことあって。そんで、それを俺のダチに話したら、それ顔だけ加工してるやつらしくってー」


なにを話しているのかさっぱりわからない。


「実際の裸とは違うって、意味わかんないっすよね」


「裸…」


「あ。変なこと言っ…」


あ。うっかりしてた。天野さんの首回した。


「え、まじびびったわ。勝手に動いた」


「すみません…」


「あ、そうだ。俺嘘ついてた。誰かに胸揉まれたって話しましたよね」


「え、はい」


「あれは刺されたんです。楓さんが」


「…う、そ…」


「楓さんが、自分で刺されに行きます。みんな悲しむ。これをほっとくなんて俺にはできない」


「なんで、はっきり言わないの」


「言ったら、現実にしようとする。でしょ?」


「…わからない」


「病院で悠星さんと話したんすよね?」


「たぶん…」


明確には覚えてないけど。


「その話は聞いてて。でも悠星さん、あんまり見えないんで。楓さんは、悪いもんを上手に隠す。鈴野さんが間違えたみたいに、誰かが呪ってるように、楓さんがエネルギーをまとってた」


「そんなつもりなかった」

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