第16話

「カエさんは女の子なのに!なんでやきもち焼くかな」


シャワー浴びて戻ったら、零は寝てるし。

んもー、なんでさっき起きてたんだか!


それより!準備しなくちゃ!ご飯!


バタバタ準備したけど、零は起きない。だからご飯は置いて、そのまま仕事へ。撮影も順調に終わりまして、学校へ。


休み時間にスマホを見ると、カエさんからメール!嬉しい〜


「昨日は大丈夫だったかな。怖い思いさせてごめん」


「カエさんのせいじゃないよ!」


と送った。好き。あ、でもあんまりカエさんカエさん言ってると零がご機嫌ななめに。


「ありがとう。彼氏さんが来てくれて驚いたよ」


…零、なんであの場所にいたんだろ。


「ただいまー」


「さっちゃん!お帰りなさい!あのー質問なんですが」


わざわざ玄関まで出てきた。


「なに?」


「履歴書とは?」


「履歴を書く。紙に」


「…それは、決まりなどあるのでしょうか?」


「とりあえず、履歴書用の紙を買わないと」


「え、そうなんですか?」


「なんで?履歴書?」


「あの、道場に行った時に、履歴書を見せろと言われました」


「へー?それで?昨日なんで公園の近くにいたの?」


「あ、道場を見学に行っていて」


「そうなんだ…」


たまたま、偶然?


「後で履歴書買いに行こう。そしたら、書くだけだよ」


「わかりました!…え?さっちゃん?」


ぎゅーっと抱きつく。


「昨日はありがとう。かっこよかった」


「…さっちゃん」


「…なーんか疲れたしちょっと寝る」


「わかりました。では、履歴書は自分で買いますね」


「…うん、スーパーにある」


「わかりました。店員さんに聞きます。さっちゃんはハンバーガーなど好きですか?」


「好き。注文して」


「あ、でも受け取りできないですね。僕が帰ってきてたらデリバリーで頼んでもいいですか?」


「うん。いいから、出かけたら?」


「はい。行って参ります」

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