逢坂さんの男

第17話

「なにー?わかんないの?」


「…逢坂さん?」


ん?


ベットに寝転がりつつ電話出たけど、女の子の声。画面を見ると


ひえー!カエさん!


「ごめん!カエさん!寝ぼけてた!」


「ううん。急に電話してごめんね」


「ううん!嬉しい〜」


「今日、メールだけしかできなくて。会えなかったから」


「え?」


「逢坂さんのこと、心配で。泣いてたから」


「大丈夫!カエさんが心配してくれるなんて嬉しい」


「ただいまー」


うわ、零が帰ってきた。


「さっちゃん?起きたんですか?」


電話を指差す。話しかけんな!


「えーと、カエさん、私平気だよ」


「…ごめんね。逢坂さんと外で会ったのが悪かったなって…」


「ううん!気にしなくていいの!」


「彼氏さんは、着物を着てお仕事?」


「…えーと、そうだね…」


「すごいね」


「そうかな…」


「あと、鈴野くんも、謝ってる。怖い思いさせてごめんなさいって」


「カエさん。鈴野くんがそこにいるの?」


「え?」


「なんかそんな感じするんだけど」


「…逢坂さんは、彼氏さんと住んでるの?」


やっぱり声聞こえてたか…。

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