第36話

「じゃ、誰なんですか」


「誰かだよ!わからない。俺には、解決できなかったんだから」


「…そうでした。それで、彼女はなんでも物を動かせるって、実際見たんですか?」


「見た。スプーン曲げてみろって言ったら、先割れの先を曲げた」


「えー!すげ!」


「超能力の使いすぎで入院してるときだった。あれは、呼吸をするように使える」


「…なら」


「そうだ。雪見の動きなんて阻害される。簡単に骨折られそうだな」


むむむ。どうしたものか。


「夢は他に誰か出てないのか?」


「現場は公園で、鈴野さんもいますけど、何もできないうちにそれは起こります」


「早いのか…」


「あ、あと…ピンクの髪の毛の女の子がいました」


「へー?誰なんだ?」


「わかりません」


「たぶん2人は学校では付き合ってることを隠してるはず。つまり、その子は2人の関係を知ってる」


「あ、思い出した!その子はアイドルだ」


「はー?」


「隼人に聞いたんです。AVに顔だけ使われてました。身体は偽物なんです」


「いや、お前なに見てんだよ…」


「その子は、なんか病院で着物を着た男が慰めてたんですよね。なんか、自分を責めてるような、そんな雰囲気ありましたね」


「雪見。もう一回夢を見てみろ」


「えー、刺されるの嫌です!それに、さっきの聞いたら、辛い…」


「雪見、お前、その夢が怖いんだな」

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