第37話

「わかりません」


「怖がってよく見れないんだ。もっと集中しろ」


「はぁ…めちゃくちゃ嫌です。みるくとできないし、俺まじで今回辛すぎます」


「…なんの話だ?」


「嫁ですよ。子供ちっちゃいうちはやってくれないんです!」


「お前…話してる意味がわからない」


「みるくとやったらなんか、パワー湧くんですよね」


「バカなのか」


「は?」


「雪見。お前は自分を認めてもらいたいだけ。パワーなんて元から持ってる」


「え、まじ、すか?」


「そう。雪見はなんで後継ぎに?お前は認められてるからだ。そんで、鈴野がお前を頼ってる」


「いや、でも…」


「雪見、助けてやってほしい」


「…わかりました、もう一度寝ます」


電話を切って、瞑想。来い、あの夢で見た公園…。



「カエさん〜嬉しい!外で話せるなんて」


「そうだね」


声が聞こえた。


逢坂あいさかさん、話って?さっさと終わらせてほしいんですけど」


「鈴野くんには別に話すことないんですけどー」


鈴野さんは、なんかうざがられてた。


「逢坂さん、気にしないで。ゆっくり話していいよ」


この人が彼女…うわ、なんか力を感じる…


「お前ら…何を話してる…」


誰か来た。


「なに?誰あんた?」


と、あっという間に刺された。


「なに?え…カエさん!?…え?」


彼女は座り込む。誰かは腰を抜かす。


「カエさん!…さ、刺されてる!」


鈴野さんは真っ青だ。


「逢坂さん、すぐ救急車!お前誰だ!」


「…違う、俺はただ、脅してや…」


「先生、気にしないで下さい…」


目を閉じる彼女は、満足そうだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る