第38話

病院に切り替わる。


「よかった!目を覚まして!」


「…ここはどこ?」


「病院だよ。カエさんが無事で、よかった…」


彼女は不服そうだ。顔に出ないがそう感じた。

ロビーでは、ピンクの髪の子が、項垂れてる。側には着物の男がいる。


「僕が、紹介してなんて…話したせいで…」


「違うよ…私がカエさんのプライベートに入ろうとして…」


「いや、僕のせいです…」


彼氏かな?ガタイいいなぁ。


ふぅ、目覚めた。電話しよ。


「夢に声が入りました」


「で?」


「着物の男はガタイが良くて、たぶんピンク髪の子の彼氏」


「アイドルなんだろ?」


「まーよくわかりませんけど、それっぽい雰囲気ですかね」


「他には」


「なんか、先生って呼ばれてました。刺した人」


「ほう?学校の先生?」


「そこまでは…で、カエさんと呼ばれてましたけど、鈴野さんの彼女名前は?」


かえで。カエはあだ名かな」


「なるほど。俺思ったんですけど、着物男に現場に行ってもらいたいなと」


「なんでだよ」


「ピンク髪の子が、なんか楓さんに話があって呼んだみたいな雰囲気でした。あ…紹介とか言ってた。そうか、彼氏の話でもする予定だったのかも」


「つまり?彼氏の話をするから、公園に集まってるのか」


「はぁ。たぶん。だから彼氏が事故にあったのを自分のせいだと責めてました」


「つーことは?」


「夢にまで出てくるということは、その場に居合わせた方がいいということなのかなって」


「雪見がそう思うならそうしてみろ」

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