第25話
「夢を見ること?無意識だから?」
「俺は最初から養子で、つまり養子の養子?なんですよね。親とも友達ともうまくいかないし、嫌われたし、居場所とかなくて。能力のせいにして、自分で封じたことありました」
「そんなことが…できたんですか?」
「でも、やっぱりこの能力は俺には必要で。だから、結局今も一緒にいる。楓さんの能力は、子供の時からなんでしょ?俺と同じで、たぶんこれからも一緒」
「そうなんですか?それで、エネルギーを集めるのは無意識なんですか?私が?よく、わからない」
「はい。物を動かすのと同じ。自分で引き寄せてる。それをたくさん集めて、自分を不幸にする。そう、消えたいから。でも、自分ではその決心はつけられない」
「…はい」
「別に消える必要ないと思いますよ?だって、楓さんを必要としてる人います。俺だって、必要とされてるんだから」
「…私ってなんのためにいますか?」
「さぁ?俺もよくわかりませんね。ま、めんどくさいことは抜きで、人生楽しんだらいーんじゃないすか?」
「…楽しめない。りこは、教育委員の娘なんです。だからみんななにも言えないし、誰も話しかけられないし、1人なんです。りこのせいじゃないのに…だから、私がいないといけない。じゃないと、りこは消えちゃうんじゃ…」
「そうやって、無意識に負のエネルギーを集めてしまってる。しんどいなら辞めろよ学校」
「なんでそんなこと言われなきゃいけないの?」
「楓さん。まじ、なにしてるんですか。人のことばっかりでまじ、まどろっこしい。自分を捨てるなよ!お父さんも悲しむ。わかってるくせに」
「わかんない!もう!嫌!」
どうして、こんなにまどろっこしくなったの?
「なにもかも嫌!嫌で嫌でたまらない!わかんないの、私はなに?本当の私はなに…わかんない」
「楓さんは楓さんです。能力もひっくるめて。もう、無理するの辞めようよ」
ぱっと、雰囲気が変わった。
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