第2話

朝はギリギリに起きた。お父さんがいる。


「おはよう…」


「カエ、おはよう!」


お父さんはいつも通り元気だ。今から寝るだろうに。


「あ、カエさんおはよう!ご飯用意するよ」


伊織くんは余裕だ。昨日、遅くに寝たのに。

朝は得意と言ってたけど、あんまり寝なくていい体質?私だけあたふたしてるの嫌だな。


もくもくご飯を食べていると、お父さんはさっさと寝に行った。


「カエさん、眠れなかったよね。ごめん」


「…ううん。伊織くんこそ」


「いや、俺は大丈夫だよ?」


なんでそんな元気なんだ。


「あ、それでカエさん」


「なに?」


「今度から電気つけてしていい?」


「…なんの話?」


「カエさんの表情とかも見たいし」


表情?何の話?というか、伊織くん近寄ってきてる…。


「だめ、ご飯食べてる!学校行くんだから」


「え?」


あ。うっかり伊織くんの首を右にひねってた。


「ごめん!」


「いや、カエさんありがとう。カエさんが嫌がってないことわかった」


なにかさっぱりわからない。けど、伊織くんは満足したように見えた。無表情だけど。

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