第34話

「根本的な解決をしなければいけない。だが、悠星にはわからなかった」


「…俺が会ったら、わかりますか?」


「さぁ、どうだろうか」


「…難しそうですよね。悠星さんに、とりあえず聞いてみます」


「そうだな」


…ふー、悠星さんどのくらいわかってるんだろうか。外に飛び出して、公園で電話する。


「おい、いきなり連絡すんじゃねーよ」


「あのー、鈴野さんのこと教えて下さい」


「は?鈴野?ってどの」


「…弟?」


伊織いおりのこと?」


「たぶん?その彼女についても教えて下さい」


「…なんでお前が知ってるんだ?親父に聞いたのか」


「…夢に出ました」


「…なに?雪見は会ったことないのに?」


「なんか、その鈴野さんが俺を呼んだじゃないかって、住職が」


「まずい状況なんだな…俺にはなにもできなかったから…」


「鈴野さんにはなにが見えてたんです?」


「もや、って言ってた。俺にはなんか悪いもんがありそうな、そんなぼんやりした印象。でも、よくわからない。彼女は寿命が短いとか、そういうのはない」


「鈴野さんは第六感があるそうですよ」


「…それが親父の見立てか。そうかもしれない。鈴野には原因を探れと話した。言霊の可能性もあったから」


「俺はそうは感じませんでした」

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