第35話

「どんな、夢だ?」


「…彼女が誰かに刺されます。それは、ナイフを自分で引き寄せてるそうです」


「そう、か…わかったぞ。彼女が自ら、嫉妬、妬みや怒り、そのエネルギーを集めてる」


「え」


「物を動かせるんだ。なんでも。で、エネルギーすらも引き寄せられると考えた」


「…なるほど。以前の依頼はどんな内容ですか?」


「彼女にもやがある。で、超能力の使いすぎで体を壊してる。鈴野が寺までやってきた。その能力を使ったのは、屋上で自殺しようとしていた生徒を助けたから。その後、彼女自身も自殺をはかってる」


「それは…」


「死にたいんだ。鈴野も気付いてる。超能力の使いすぎでは死なないと本人もわかってるはずだ」


「じゃあ、彼女は…」


「死ぬタイミングを常に待っている」


「そんな…。俺に、彼女をどうにかできるんでしょうか」


「…その現場に行くのはやめた方がいい」


「え…じゃ、鈴野さんがなんとか現場は収めるんですか?」


「無理だな」


「じゃあ悠星さんが?」


「無理だってば」


「えー?住職?」


「それも無理。だから、うーん、なんか他に知り合いいないのか?」


「隼人?」


「いや、そいつも無理だって。影響受けやすいだろ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る