おみくじ

白い息がとどく距離

覗き込む　きみの視線の先

わたしの勝ちと得意気に

広げるおみくじ　大の文字


勝負じゃないよ

私が呆れて見せた素振りでは

耳もとに残る吐息を

追い払うには足りなくて


赤くなった指先を

ポケットに誘えることはなく

冷たいねって握るけど

胸痛むのは　私だけ


くぐった鳥居も端と端

お参りに並ぶ列にならって

きみの隣がまた近くなる


わざわざ初詣にいく仲が

特別じゃないとは言わないけれど


トクベツって言葉


お互いに抱く意味は

全然違う便利な言葉


好きって言葉


大って付けてもペラペラに

軽くも出来る便利な言葉


私はきみとこれからも


せめて私のおみくじの

末の一文字に込められた


きみの心の末席に

友人として末永く



ずっと一緒にいられますように　と



気持ちはここに結んで帰る














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