きみの背中を知っている

僕らが星を背負っているなんて

いったい誰が言ったのだろう


数の優劣なんかじゃなくて

ひとつもふたつもななほしも


きっときみにしかない星で

僕にしかない星だ


背負った星が輝けるものなのか

いつ星足りえるのか



自分自身には永遠に分からない



ただ 僕が知っているのは

きみの背負う星が 眩しいってこと


くすんで傷だらけの丸い背の

ひとつ星が とっても



いつか 誰かが僕を指さして

星を見つけてくれるだろうか


誰かの瞳に映っても

背負って生きるものだから

僕にはずっと見えないけれど


敬意だとか 憧れだとか

恋慕だとしても 嫉妬だとしても


僕の軌跡に胸を焦がしてくれるなら

なんて嬉しいことだろう


何者でもない僕が

同じように漂う無数の星屑の海で

迷い見つけた道しるべ



きみの背中を知っている



きみが知らない ひとつ星

僕は知っているから






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九十九の複眼 2nd season【詩集】 つくも せんぺい @tukumo-senpei

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