双葉 ― souyou ―


また皆で集おうと

学びの証を胸に抱き


土壌にはたくさんの

夢と光が降りそそぎ


並んで芽吹き

解き放たれた


まっすぐに伸び

双葉を広げ 増やし

花をつけ飾るのか

実を成し肥やすのか


均一に揃えられた学舎の土

管理は優しさだった


足りないものは

知ったときには枯れている

花として愛でられるのは

実を成し次代へ繋ぐのは


雑草と呼ばれない個性だけ

揃う双葉は雑草と見分けられず

根を残さず淘汰される


青い春はなぜあった

暑き夏はなぜ燃えた

赤き秋はなぜ散って

寒き冬はなぜ泣いた


芽吹きの先の 光の下

高く狭き頂きに

咲けぬなら 結実叶わぬなら


集いを逃し

それでもなお

諦め枯れること許さぬならば


双葉よ

私は花にならずとも

私は実り継がずとも


根を張り巻きつく蔓となり

頂きに絡むまで這い登ろう



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る