このはのした

歯牙にもかけない命とて

葉をめくればひしめいて

区別もつかぬ性別も

言葉も持たぬ意思だとて



光を浴びねば闇に消ゆ



この葉の下の営みの

理かい及ばぬ息苦しさは

群れることを受け入れる

その強さを恐れるからか



一歩を踏めば闇に消ゆ



この歯の下の舌を噛み

痛みだけで終わるのは

自己満足の孤独ゆえ


歯牙にもかけない影だろう

葉の暗闇よりも甘き者

理解も及ばぬ種族とて

見上げなければ同じこと



翅をひらけば闇を超す



小さきを見てちっぽけと

自己を嘲るこの葉の影

とっくに鬼には踏まれていて

動けずにいる我が身を抱く



翅のひらかぬ我が身を抱く





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