願うばかりの王様はスプーンとフォークが使えない
詩でくらいは赤裸々に
笑われている声に
気づいていないふりをしたって
覚めることはない
どうしようもない後悔と
選んだ過去の作り笑い
グラスを鳴らす音がする
愉快な歌が木霊する
ボクの有様を喜んでいるの?
キミが選んだ透明なデザイン
誇らしく 胸を張ってほしかった
そんな選択に誰もが指をさし
聞こえる 裸の王様だって
友だちなんかじゃなかったけどさ
キミの輝きを目にした日から
照らす明日を見ていたかった
壁にぶつかるそんな日も
暗い部屋に逃げこんだ日も
キミが何を選んだって ボクは君を望むから
それが透明なタキシードでも
結婚式を挙げてやる
詩でくらいは 偉そうじゃなく聞こえてくれよ
後ろ指を差されている
見えないふりを続けたって
変わることはない
どうしようもない信頼は
あの日のボクの大間違い
ホコリを被ったミシンは眠り
無音の時間は止まったまま
キミの帰りをまだ待ってるの?
キミが選んだ透明な糸は
まっ黒に塗りつぶされていたんだね
見えなかったボクを誰もが指さし
歌うよ 裸の王様だって
恋人なんかじゃなかったけどさ
ひたむきな瞳に射貫かれてから
生まれる明日を見ていたかった
立ち上がれずに膝をついても
図面にその血が滲んでも
キミが生みだすものならば ボクは望んでしまうから
それがいばらの冠でも
戴冠式で受け継いでやる
詩でくらいは ボクのそのまま届いてくれよ
生きる世界は同じだけどさ
見ている物は違っているから
キミの景色で過ごしたかった
粉々に砕けていても
拾い集めてくるからさ
キミが何を望んだって キミが何を見失っても
まだ何も成せなくても 透明な糸のままでも
裸のままで着こなしてやる
裸のままで笑ってあげる
せめて詩でくらいは
偉そうじゃなく聴こえてくれよ
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