たまにはころぶ

うそだ と

言わせない強さがあった


爛という

おおよそ子どもには似合わない

火を宿した言葉


きみには宿っている


瞳にあるのは大粒の涙

紛うことなき悲しみだ

その奥に消えるのことのない感情


かたわらに散らばる絵

綴られた文字の上

押し当てられた手や拳

紙はとうにくしゃくしゃで

けれど滲んではいなかった


描けなかったのか

伝わらなかったのか


大丈夫かと聞いたら

大丈夫と答えたきみは

その瞳の奥に火を灯した


ああ そうか

ぼくの問いかけが間違いだと気づく


悔しいかと聞いたら

悔しいと答えたきみは

その溜めた涙を落とした


渇いた大地に降る雨が

火にあたためられた種の

芽吹きの呼び水になることには

そう時間は必要ないだろう



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