終わりを運ぶツバメ

光を運んだ きみが望んだから

笑顔を運んだ きみが喜んだから

奇跡を運んだ きみが僕を見ないから


きみはいつも

遠くの誰かのために

幸せを願い

笑って自分を差し出した


鈍色になった身体が

かつては黄金だったと

誰が覚えているのか


僕が奪った輝き


それがたとえ

きみが望んだ未来だとしても


どうして

微笑みかけてくれるのか


“ひとりじゃないから”


簡単だと答えたきみは

もう誰の視線も集めない


けれど瞳が互いを写し

ふたりだから笑えると

失った自分を肯定する


僕はきみに終わりを運んだ

きみはそれを否定する


それは違うよ 終わりをくれた

孤独の終わりと幸せの始まりを


だからみんなに分けてるだけだと


僕のことが眩しくて

やっと胸を張り見られるようになったと


きみは──












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