砂のトンネル

砂場のお山の開通式は

いつもきみと出席してた

鼻の頭についた砂

目が悪いって最近聞いた


近づきゃ見える

にひひと笑う


共同作業をたたえる握手

二人はいつも砂だらけ

ぎゅっと握られちょっと痛い


水を流してこわすのか

上から踏んでこわすのか

いっつも揃わずケンカして

じゃんけん必ず三回勝負


互角のままで

サヨナラだった

決着をつけに行かなきゃね


あれから背負う鞄も変わり

暗いトンネルいくつも抜けて

その度にきみを思い出す


どんな顔でいただろう

どんな話ができただろう

ちょっと見えない未来にだって

目を細めてあの日のように


近づきゃ見える


臆することなく進むかな

ぼくらの砂山通したように

一人でも

きみなら歩み拓くかな


負けられないな

じゃんけんだけは互角だった

決着をつけに会う日まで


いまどんな顔で笑うだろう





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