無限じゃないもの

たくさんの厚意と

たくさんの時間を


笑って差し出すことを

疑問に思ってはいけないのだろうか


瞬く間に一日が過ぎて

流れるような朝昼夜


ため息を吐いたら横になり

立ち上がるために目を瞑り


同じような毎日の

同じようなという意味を


ふと気づくと吐き気がする


幸福な王子様は

笑って朽ち果てることを選択し

輝く明日の錆になった


羨望と憐みの感情を抱くほど

慣れ親しんだ物語じゃないけれど


王子の傍らにとまるツバメが

指先に居てくれたなら


同じ気持ちでいられるだろうか

報われたと笑えるだろうか


天使に美しいと思われなくても

別にいい

閉じた瞼の先に世界がなくても

別にいい


ただ 終わりを知らない

無限じゃない命のひとひらを


自分の意思で笑っていたい







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