第19話 ネタ造り→起点をまず作るのが近道。

 さて、作品を作る手順が朧げながら見えてきました。まず文章のルールを設定して、物語を構成する三要素を用意するところからが、本当のところのスタート地点でしょう。そこにプラスアルファの「テーマ」を、というところですが、これはまぁ、練習のうちは棚上げでもいいですよねぇ。いきなり全部は難しいし。(笑


 物語構成の三要素、「状況」「人物」「事件」すなわち「どんな時代のどんな場所で、どんな事件を起こすか、それに関わる人物は?」……これが取っかかりですかね。これを想起する為にさっきパスした「テーマ」を先に決めてしまうという手もあるんですけどね。


 どっちかと言うと、練習のうちは「テーマに拘らずにテーマから作り始める」という手順で行くのが効率的にも難易度的にも容易い感じがします。連想の切っ掛けとしてテーマを起点にするという発想ですね。なのでこの場合のテーマはどこかの時点で捨てちゃっても構わないんで、気楽にイケるんですよ。私もよく使う手です。


 この方式自体はよく聞くヤツでもあります。他人の作品を読んでいて「俺だったらこの場面はこうするのに!」という、例のアレのことですけど。


 幼馴染みの女子があなたの推しでした。だけどその作品ではポッと出のニューヒロインが主人公をかっ攫っていきました。あなたは幼馴染み女子が不憫で不憫でなりません、「よし、俺が幸せにしてやらぁ!」一念発起しました。これのことですね。


 でも、この「不憫系幼馴染み女子」がテーマとは呼べないんですよ。これは設定とか趣味趣向であり、ジャンルにはなり得てもテーマと呼ぶ代物ではないんです。やり方はほぼ同じですけどねぇ。


 そしてこの方式ですが名前が付いてます。別の作品に触発されて、設定などをヒネって作る、これを端的には「換骨奪胎」と言います。そのまんまの幼馴染み女子のキャラを、名を変えただけで登場させたってバレやしませんし、言わなきゃ気付いて貰えないと思います。類型キャラって割と見かけるモンですからねぇ。ストーリーもエピソードもまったく違うものになるのは想像に易いと思います。


 で、ほら、これで三要素のひとつ「人物」は出来ちゃったじゃないですか。


 そして、この幼馴染み女子を幸せに導くことが目的であり到達点であり、彼女を中心に考えていけばおのずと「事件」と「状況」も用意できてしまうんですよ。ほぼほぼインスパイア元の他者様が作った作品への当てつけとか意趣返しで作ってもOKです。ポッと出ヒロインを性悪女に作り替えたって大丈夫です。あんまりやりすぎると意趣返しだとバレて気まずいことになるかもですが……



 テーマを使っての作業も、手順で言えばこれとほぼ同じです。


 時事ニュースだかSNSの話題だかで、何かの情報を得ますよね。あるいは社会的な問題とか、誰かが思想的な発言していてムカつく意見だった、とか。そういったモノを題材にして、「状況」か「人物」か「事件」に当て嵌めて残りの項目を埋めていけば、三要素はというか作品のネタは作れるんですよねぇ。


 この辺りは基礎中の基礎で、別に迷うような部分は無いのですけどねぇ。問題はやり方を知っていても、なかなか書けないという方面のトコロですよね。

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