第二章 履歴書を書く前の準備
書き出す前に準備するモノ
第18話 作品を通して何を伝えたいか、「永遠のテーマ」
作品作りの正しい手順を考える前に、もう一つ片付けておかないといけない項目が残っています。「テーマ」とか「主題」と言われるヤツです。作品のコアです。これが在ると無いとで、作品のクオリティが雲泥になります。とか言われてます。
漠然となら解っているつもりのこの「作品の主題」ですが、曲がりなりプロを目指そうという時にはもっとしっかり考えた方が良さげなんです。
なんだかだんだんジワジワと「なんか変だな~、重要な気がするな~、怖いな~、怖いな~、」という気がしてきたんです、私。
作風というか、作者のウリというか、ブランドに関わるんですね。
アマチュアのうちは別にその時その時の気分で好きなモノを好きなように書けばよかろうモンなんですが、客商売の作家業となりますと、これはお客さんである読者に多少は勘案しないとイカンわけです。それが人気に対する戦略になるので。
さらに、デビュー作とかでカラーが付きますよね? この作者はコレを期待して読むみたいな、これがブランドで、一度色が付いてしまうとなかなか裏切ることが出来ないシロモノじゃないですか。別のモノが書きにくくなるというか……
つまり、作品単体がブレブレだったら読者に気に入られないのと同じように、作者のモットーもブレブレだったらお客であるファンが付かない、ということで。たぶん。おそらく。
読者だって自分の好みに合う作品をチョイスして読んでるわけですもんね。
それで思い出したんですが、いつも観ているYouTuberさんが、口癖のように言う言葉があるんですよ。「僕はこういうことを皆に伝えたいから、動画撮ってるんだよなー、」と。人と人の絆とか、出会いとかを通じて感じられる人情の暖かさとか、そういうものをとても大切にされてる方なんですけどね。
だいたいの動画でそれは根底に確かに流れていて、こういうのが「テーマ」と呼ぶものなんだなと改めて思ったりしたわけです。
これは小説を書く時でも必要なことと思います。年間、いや、人生通じて、書くことによって何を伝えたいのか。ここを明確にしておいた方がいいんじゃないかと思うようになって、ここ数年ですが新人賞への応募を止めています。私は何が書きたいんだろう、と思って。
その答えはまだ出てませんが、作品を書きたいと思って書いている以上、きっと何か書きたいと思った理由があるんですよね。この思いを作品に込めようと思った、その思いが「永遠のテーマ」なんでしょう。それはどの作品にも実は共通していて、それこそが「私の追求しているテーマ」であろう、と。
うーん、私は何を書きたくて作品を作り続けているんでしょうかねぇ。
以前、大長編のファンレターを貰ったことがあって、私の作品をめちゃくちゃ褒めてくださって、その方が言うには私の作品は「救い」を描いているんだ、と。そんな風に言われて悪い気はしませんよね、ちょっとくすぐったい、ちょっと胸を張りたくなる、そんな気持ちになれてこちらこそ救われた気がしたもんでした。
だから、なんとなくですが常にこの「救い」ということに関しては片隅に意識していたりはしますね。正反対で救いのない絶望に彩られた物語というものにも創作意欲が掻き立てられるんですが。
両方書く作者、って…… かなりタチが悪くないですか?(笑
追加。
なぜこのページを書いたのかを、書くのを忘れてました。
「テーマ」というものは真剣に考えた方がいいよ、と申しますことには実は理由があるのですね。こないだ迷惑系YouTuberの外人さんが逮捕されましたが、彼はね、この「テーマ」なるものを持たずに撮っていたと巷では言われているんですね。
ただひたすらインプレッション、金儲けのPV欲しさだけでやっていたので、これがウケそうと思ったら何だってやるという姿勢だったそうです。そうすると、撮った動画には何の統一性もないし、言動や行為にも一貫性がないし、思想らしきもない、と。
視聴者の方でもそういうフラットなタイプの人というのはいて、そういうタイプが集まっていたと言われてます。意味とか深く考えない、その場の雰囲気でなんとなく楽しんでるという刹那型というんですかね。それが悪いと言いたいんじゃないんですわ、それはそれで一つの楽しみ方だし、いつでもどこでもガチガチに思考を回していたらそもそも疲れますわね。
だからそういう楽しみ方をしてもいいし、そういう動画もいいんですが、大人気のYouTuberさんのケースだと、割と娯楽性高めでどうでも良さげなネタばかりをやってらっしゃるトコであっても、通しで全動画を考えたら、なにがしかテーマなり主張なりがあるんですよ。ただ極限まで薄めて軽くしてくださってるだけなんですね。
そこを勘違いして、大人気の方のマネをしてるつもりでカラッポのものを作っていると、目的がね、PV稼ぎで知らず知らず固定されて、視聴者の方もそういう人だらけになって引き返せなくなるよ、と、こう申し上げているわけですね。
普通の濃度にテーマ入れて作るのだって難しいわけで、それを極限まで薄めるってさらに高度ですから。だけど集めたファンは軽いモノを求める人々でしょ、嫌でもカラッポを作り続けるハメに陥ります、という話です。
とまぁ、そういうことを追加しときます。
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