第20話 「流行」ムーブメントの残酷な話

「素材(状況・人物・事件)」「テーマ」「作中ルール」と来まして、後はまぁせいぜい「流行」くらいなんですけどね、言及するモノと言っても。


 流行りモノを題材に取った時の利点と欠点と言いますか、流行りに乗るんですからブームに乗り遅れたら絶望的に読まれないよ、というだけのことですけど、ええ。



 今、なろうさんは異世界恋愛全盛期らしいんですが、一度男性向け異世界モノを隔離措置したのが原因なんだそうです。だけど、何でそれだけでランキングが一新されるような状況に陥ってしまうのかと言えば、実際の出版やTV視聴層などとの乖離が表面化したせいと思ってますです。


 SNSって利用者層の固着が起きるんですよね。いや、SNSに限らず、流動性が低い囲いの中っていうのは、停滞するじゃないですか。音楽でも懐メロ世代とか言って昭和の歌唱がずーっと一定数は売れ続けるっていうアレですけど。固着したファン層があるから、なだらかな横ばい傾向になると言います。


 なろうとかカクヨムの異世界系小説ってそれなんだそうです。だから顧客が歳取ってくのに合わせてオッサン冒険者とかに移り変わってるそうで。


 じゃあ、若い世代は何を読んでるの?と。


 いや、これ、異世界恋愛が売れているというより、異世界でインスタントに冒険ムーブみたいな従来の流行りが終焉を迎えつつあるだけじゃないのかな、という気がするんですけどね。鬼滅ブームとかちいかわブームとか凄まじいし、「物語」自体の潜在顧客は別に減ってはいないわけで、新規顧客がWeb小説というプラットフォーム自体に来なくなったかもね、という話をしてます。他の媒体にブームがあってこっち来てないかも、と。


 それに、固着した客層が古いムーブメントを固持していると、新しいムーブメントの芽は出ないんですよね、これ。比較的新しく出来たソーシャルにて芽吹いて、SNS自体の覇権もそっちへ動く、若い世代と共に、ということが起きて新陳代謝していくので。


 なので今回のなろう騒動、異世界恋愛に一新されちゃったというのは、その前のね、駆逐された異世界冒険譚モノが若い世代にはもう懐メロなのかも知れないと。


 ニコニコ動画が覇権取ってましたが今はYouTube、続くTikTokに奪われてますよね。ああいう感じでプラットフォームごと覇権は動くのが常になりつつありますね、インターネットは顕著にそれが見える場所です。


 それで言うと、ラノベから始まった小説ブームが落ち着いちゃったのかも知れません。でもこれまでに獲得した新規の読者層はかなり大きく、ビジネスが成り立つ規模があるでしょうからサイトも継続しているわけで、これから先は横ばいの中で読まれる道を探すか、もう一つ大きな読者層を持つ一般文芸を志すか、ですね。


 なろうカクヨムのサイトは異世界冒険譚モノの狩り場として定着したんだと思います。なので他のジャンルとか、ラノベでない書き方の作品のPVなんか、総じて悲惨な数値ですからねぇ。(笑


 まぁ、流行りというのはそういう感じということです。




 ……恋愛モノ、めっちゃ流行ってますよね今。ドラマや邦画もチラホラあるし、漫画はだけど現代恋愛モノじゃなく中華とか中世令嬢とかよく見かけるから、だけどやっぱり流行ってるんだと思います。(笑

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