第36話 騒乱の前触れ

クリスマスの一件から半年が過ぎ国家の秘密裏に併合と施設建設は順調に進んでいた。



この星にきてから戦闘訓練が中心の生活になってきて身体も兵士らしいガタイになってきた気がする。

「鏡の前でなにニヤニヤしてるんです?」

「うるさいパピィ!皆にはいうなよ!」

ロウからすればナルシストというよりも鏡の前でにやける変人という認識だろうが他の部隊員に知られればいったいどんなあだ名をつけられるかわかったもんじゃない。

しかし、あの戦隊ヒーロー達の奴らのように地球という名前でありながらどうにも違う状況の世界もあるようだがボスに聞いたのだが

パラレルワールドであるらしく特殊な能力や価値観の違う地球出身者がこれから先もあるかもしれないとのことだった。

「あんな特殊能力持った奴らがどんどんくるかも知れないのかよ…はぁこれじゃ女神から貰ったチートじゃ太刀打ちできそうにないな…。」

「遅れるよゴースト?今日は強化外骨格を装備した状態でLMGの射撃訓練だってさ。」

「電源は?」

「OFFだって。」

今日、1日が重労働による疲労が確定したが逃げるわけにもいかず渋々訓練に参加することとなった。



訓練が始まるとLMGの射撃音で訓練場に轟音が鳴り響く為無線機を使用して指示や会話をしている。

「そこ、トリガーハッピーにならない!…的にかすってすらいないがお前はLMG向いてないな今度ボスに報告しておく。」

「す、すいません…。」

適正てのは人それぞれである為に度々訓練中に適正無しとされることもある。

とはいえ強化外骨格には射撃管制システムも搭載される予定があるため技術的に解消されるものとされている。

「うちのボスは技術の発達を優先しているけど下地が大事だからてので基本電源OFFなのはやっぱりきついよな。」

「強化外骨格というよりもメジャーリーガー育成用のギプスさせられてる気分ですけどね…。」

「タクヤ、メジャーリーガーてなに?」

なるほど、野球の存在そのものがないことを忘れていた。

この星の一般的なスポーツはあるのだろうか?まだ生活水準の安定していないからもしかしたら娯楽らしい娯楽はないのかも…。

「俺のいた地球のスポーツで野球選手の英語読みだよ。」

「あぁ~野球ですか!ボスが我々に教えて広まったスポーツですがやはりルーツは地球でしたか。」

以外だった。

ボスがスポーツに興味があり野球を普及させているとは思っていなかったが未だサンタを信じているボスにも一般的な子供が持つ夢である野球選手になるという夢があったり……無いな!

絶対にない!

あの人スポーツが好きという感じでは無いしおそらくなにか考えがあって広めている可能性はある。

…なんだか無性に真相が知りたくなってきたがライラ中尉に私語がバレてしまい狼と確か名無しみたいな名前の奴と共に顔面に殴打をくらいまとめて医務室行きとなってしまった。



同時刻、基地内部会議室にて現在の周辺国家の情勢の報告が行われていたが問題となっていたのは異世界もしくは地球からの転生者や転移者であった。

「現在、確認された転生もしくは転移してきたと考えられる達は15人ほどでそのほとんどは連合により保護等してはいますが…。」

「これからもタクヤ達のような特殊能力を持った人間による被害や事件はねずみ算式に増えていくことになるでしょうね?」

彼らの懸念通りの事態にはいずれなるかも知れない…いや今も何処かで悪事を企む者達がいるかもしれないが…。

「現状特別な対策は出来ないが彼らのような子供達の保護や制圧することを前提にした作戦や部隊編成も考えるとするよ。それで、リリア聖王国にクーデターの情報に進捗は?」

「現在調査中ですがおそらく急進勢力による対等が原因と思われますが間違いなくタクヤ達と同じ特殊能力持ちが関与しています。」

当分、チート持ち達には振り回されそうだな…時間に余裕があるかもわからない状況で計画の変更はできれば回避したいが上手くいけば戦力増強にも繋がる。

「これじゃ嫌がらせなのか塩を贈られているのかわからんね?」

「はっ?」

「独り言だよ。各員今まで通りに情報収集を頼むよ。では解散。」

解散指示に従い各々が部署に戻っていき私も会議室を後にするがタクヤ達が怪我したと聞き指揮官として彼らの様子を見に行くことになるがたぶんしょうもない理由で体罰されたなと薄々感づいていてため息をつきながら彼らの元へと向かうのだった。








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