第41話首都動乱

教会目指して逃げ回る。時たま反撃もするが数が減るどころか徐々に増え始めている。

これ教会入ったら出られなくなるんじゃ?と思ったが敵が迫っている状況で迷ってる暇などなかった。

「教会まであと少しよ!あの悪魔達にやっと仕返しできるわ!」

ちょ!フラグを立てるような発言はやめてください!

ドゴォ!

教会手前の建物を破壊して悪魔が出てくる。

安易にフラグを立てるからこうなるんだと心の中で悪態をつくが考えるよりも前に体は動きライラ中尉の前に立ち悪魔に攻撃しようとする。

だが、攻撃する前に別方向からの攻撃により倒れる。

「諜報部の連中やっぱり来ていたのね。」

屋根の上に上っている男達が降りてくる。

「『Null』所属の連中だな?無事でよかった。武器を回収したら教会を焼いて離れるぞ。」

諜報部、いわゆるスパイや情報収集を行う部門だがこの星では支援攻撃を要請できないことが多く連合国軍内部でもより攻撃的な魔法や戦闘能力を持つ人間達で構成されている。

噂によれば元犯罪者達で部隊が構成されているとされているが審議はわからない。

最も俺も似たようなものだしここの悪魔と比べればマシというものだ。

するとライラ中尉が諜報部の兵士達に近づき

質問する。

「思ったより敵の行動が早かったけどそっちは何かつかめたの?」

「それほど多くはわかりませんでしたよ。でも、敵がこの首都に最近来た新参者であること奴の魔法は召喚系ですが…並みの使い手を凌駕しているところからおそらく異世界からの転生者もしくは転移者とは思いますが。」

「よく調べられたものね?だけど相手は完全に私達と戦う気みたいだしゴーストつれてきた意味なかったわね。」

やっぱり、転生者とかの交渉役としてつれてこられていたみたいだ。

しかし、俺が来るまではボス意外に地球もしくはパラレルの地球から人が来ることなんてほとんどなかったのかそれとも確認していなかっただけかもしれないがここ最近はハイペースで来ている気がする。

「で?どうするんです?悪魔がどれだけいるのかのも把握できず敵の実体もわからないのにこのまま戦うんですか?」

俺の問いに答えたのは諜報部の人間だった。

「既にボスが首都制圧の為の部隊を動かしている。俺達が心配するべきなのは転生者を捕まえて悪魔達による被害を抑えることだ。戦況不利になったとしても援軍がすぐに来る心配すんな。」

楽観的と見るべきかそれともボスがいるから状況が最悪でも必ずなんとかなると思ってしまうからだろうか。

「ゴーストとにかく今は武器と装備を回収してこの悪魔達の頭目を捕まえるわよ!」

へいへい、さっきショットガンが効かなくて逃げまわされた仕返しに躍起になっているライラ中尉について行くが悪魔に俺の魔法が効くとしても残りの魔力を考えると20体が限度だ。

最悪温存して置かないとこの事件の首謀者との戦闘を考えるとここからは使用を控えなければならない。

ショットガンは至近距離でも効果少ないように感じたが威力はあっても体を貫通していなかったからで諜報部の使用したアサルトライフルでは充分にダメージを与えることはできる。もっとも急所を積極的に狙わないと弾がなくなる心配もあるが一応俺には刀があるからなんとかなるかもしれない。 

足りない頭で考えを巡らせ出た結論で自身を納得させ武器と外骨格を装備して戦闘準備を整えた。

教会からでると外が騒がしくなっていた。

困惑する俺をよそにライラ中尉が諜報部の人達に尋ねる

「一体何があったの?」 

「正確なことはわからんが悪魔達が暴れているらしい。聖王国の兵士達が交戦しているが正直苦戦しているみたいだ。」

「援護にいきますか?」

「いや、それより首謀者の制圧優先すべきよ!行きましょう!」

「「了解。」」

俺達は諜報部の奴らとともに首都中心部へと向かった。


悪魔達を送り込んで捕縛するよう命じた連中は全て倒されてしまったようだ。

計画を大幅に変更したが報告には奴らが銃を使っているとはな…だが気になるのは魔法を使う奴だな。聖属性の魔法は珍しくもないが俺と同じ日本人の特徴がある。俺と同じチート能力者かもしれない。

「ゴメイレイヲワガアルジ。」

悪魔が命令を待っている。

既に地上に上がった連中は住人を襲い抵抗勢力を減らすよう行動している。

今、ここに待機している悪魔達は街を襲っている連中よりも強く知能も高い為任務の遂行率は高い。

「お前達は王族の連中を制圧してこい。一人たりとも逃がすなよ。」

俺の指示に従い悪魔達が消える。

「では、私は現場にて指示を出しますね。」

スーツをきた男のような姿をした最上位悪魔がそう告げると地上へと向かった。この国の乗っ取り計画を立案しただけに張り切っているな。俺はそう思いながら悪魔の趣味の悪い武器を手に取るのだった。




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