第40話悪魔が実在するなら神様もいるはず…いるよね?
聖王国地下某所にて
召還した悪魔達によれば俺の存在を嗅ぎ回っている連中を見つけたらしい。
しかし、無防備な連中だ少しも警戒せずにベラベラと話していたらしいが間抜けな連中なのだろう。
「そいつ等を生け捕りにしろ悪魔共。色々と聞きたいことがあるからな。」
「御意。」
10体近くの低位の悪魔を差し向ける。
この世界では低位でも1体で脅威になる存在である悪魔が10体いれば捕まえられるだろうし捕まえられなくても戦力の予想がつく。
「面白くなってきたな!わざわざ異世界に来たってのに力を振るう機会が少なかったんだ。この国の乗っ取りを手始めに俺による俺の為の国造りを始めよう!」
彼の声に呼応するように何千体もの悪魔達が動き始めた。
「悪魔に支配されてるてどういうことよ?一応ここは教会のお膝元よ!悪魔が簡単にこの国で活動することができるわけないでしょ!!」
リリィさんが問い詰めているとライラ中尉が独り言のようにボソッと一言。
「金にがめつい悪魔みたいな人間ばかりて意味じゃない。それなら連合軍に連絡して爆撃して貰いましょ?」
「爆撃以外の所は賛成です。そもそもボスのことだから民間人や関係ない人達の犠牲が出るような作戦は認めないと思いますけど。」
「チッ」
舌打ちしてまでここを消したいのかよ…。
ライラ中尉の殺意ある意見よりも優先すべきは悪魔達の数や指揮を行う存在がいるはずだ。
「教えて下さい。なぜ悪魔達の存在を知ったんですか?」
「ソイツハワレワレノキョウリョクシャダッタオトコダ。」
「ヒイィ!」
影の中から異形種と思える顔立ちからおそらく彼らが悪魔だと思われるがボスに倒されて以降見た目で相手を判断しないようにしている。
ここは相手とのコミュニケーションをとることを優先しなければならない。
「ハロー?ワタシノコトバワカリマスカ?」
空気を裂いて鎌状の触手が伸びギリギリ首を刈られることなく避けきった。
ふざけている訳ではないのだが逆鱗に触れてしまったかもしれない。
だが、そんなことはこちらには関係ないのだ。
戦闘の意思を示していない俺達を攻撃するということは完全に連合軍に宣戦布告したと同等の行為である。
なので
「いくわよ!ゴースト!殲滅するわよ!」
ライラ中尉が声を荒げてソードオフショットガンを二丁悪魔に向けてぶっ放す。
次の瞬間には頭部が吹き飛んだ悪魔が二体存在していたが死んだようには見えない。
「……逃げるわよ!」
勝てないとわかり速攻で撤退を指示してくる。
「ちょっと!?元シスターなんですから対悪魔の魔法とか聖水とか銀の弾丸とかないんですか!」
「ナイィ!」
役立たずのゴリラシスターめ!こうなったら現職に…まぁ、うん元が持ってないなら現職も持ってるわけないのでリリィさんも走って逃げている。
このまま、ただ逃げ回ってもいずれやられるのは明白であり今逃げているのも協会地下においてきた武器を回収するためである。
「ねぇ!今気づいたんだけどゴーストて聖属性の魔法使えたわよね!一応元勇者なんだから逃げず攻撃しなさいよ!」
あ、忘れてた。
でも元シスターが無能だったから俺も逃げていただけで俺が悪い訳じゃないからな。
追いかけてくる悪魔に対して振り返り魔法を撃つ体制をとる。
「『ホーリーキャノン』食らえ!」
光の砲弾が悪魔二匹に直撃し断末魔に似た声がしたが喜べない。
だって最初に現れた数より多く悪魔が追ってきたのに呑気に喜ぶ訳にもいかないじゃない
結局、シスターと元シスターとの教会までの徒競走が始まってしまった。
街は俺達の逃走時による敵の攻撃により被害を受け始めたことにより連合国軍に聖王国における異常事態を別の工作員から報告が上がっていた。
「ライラ中尉がしくじるとはな。」
「古巣のせいで平常心を欠いていた可能性があります。それで、ボス助けにいくんですか?」
「当たり前だろう?聖王国首都から周辺三十キロを封鎖させろ。首都制圧作戦を開始するぞ。」
空母のから発進する爆撃機が輸送機に合流する光景を見るとボスもヘリに搭乗しリリア聖王国首都へと進行し始めた。
そんな聖王国を遠目から眺める女が一人これから先起こる厄災を理解しているようだった。
「さてさて、どうなることになりますかね?楽しませてくださいね?坊ちゃん。」
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