第12話平和を知るもの知らぬもの

「メイ!軍曹!しっかり傷は浅いですよ。」

「嘘…本当に…ニガテなんだね。」

「…なんで俺をかばったんだ?あのままなら俺がやられるだけでメイは反撃できたのに。」

あのときの狙いは完全に俺だったなのにメイは庇った。

自分の命よりも俺の命を優先していた。

「君は、ボスと同郷だから…」

「またそれかよ!おんなじ世界の国の人間てだけで」

「この世界は、あまりにも人が生きていくには厳しく…色々なことがあまりにも。私達は、明日が欲しいの…人が人として生きていける平和な時代を…」

「平和な時代?」

「だけど私達もそしてボスもきっと平和を知らない。そして戦争を憎んでいる…もしかしたら平和すらも…」

「だからあなたには見届けて欲しいの…あの人が進む道を…まちがっていてもわ…たしたちはへいわをしらないかぁら…おねがいね」

「メイ?ダメだそんな?」

遠くから兵士達の俺達を呼ぶ声とヘリの音が聞こえ始めていた。後に兵士達から聞いた話に双剣使いが危険な存在とされ捜索のための召集が交戦した時に行われていた。

俺が村に向かわなければ、メイは死ななかったかも知れない。部隊の奴らに殴られながらその真実を嫌というほど思い知らされた。



「で?回収した。敵の遺体はどうした?」

「はい。すでに解剖と様々な解析はおこなっていますが…」

「どうした?」

「交戦報告はまだですが。というかできそうにないですが現場の状況から大方の推測はできます。それでも…」

「常人を凌駕している。てとこかな?」

「はい。双剣も未知の製法で造られたものです。あの聖剣と同じように。ですがライフルの弾丸を切り落としていることから何かしらの特異体質かもしくは」

「おそらくは、君の予想通りだろ。奴は被害者から能力を奪って。」

「彼、もしくは彼女もボスと同じ世界の人間かもしれないんですよね…あんな酷い死にかた。」

「とにかく弔うようにしておいてくれ。」

「了解です。」

おそらく奴は何かしらぬ手段で力を奪う方法を知り特殊な力を得た人間を殺した。

あの方法はもう存在すらしられてないはず…

いや、俺も似たようなものだな。

アルドラから力を肉体を融合させたあの時にこの可能性を考えるようにするべきだった。

「これからは保護も必要か…仕方ないな…」

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