第13話平和は歩いてこない

「ライコフ、タクヤはどうなんだ?塞ぎ混んでるポイけど?」

「ガイと劉の奴が殴ちまったが…まぁ今までの自信たっぷりて感じではねぇな。ライラが止めなきゃ殴り殺してたかもな。」

「そうか…ライラには感謝だな。」

「あいつだって殴りたかっただろうよ。だが理性が勝っただけだよ。」

「辛辣だなライコフ。」

「(お前が言うなよとは言えないな…こいつは顔に出さないタイプてのはさすがに俺は知ってるがなぁ…)」

「ライコフ?どうした?」

「んにゃなんでもないぜ。」


暗い部屋で一人になって思い出すのは地球にいた頃のことだった。特に酷いようなこともないむしろ普通の家庭だった。

中学くらいの妹には嫌われ始めるまでは友達と遊んだり部活に励んだりする本当に普通だった(彼女はできなかったが)。

あの頃に帰りたい。これが夢なら覚めて欲しい。

ドン!とドアを叩く音がした。

「おーい、さすがにそろそろでてこいよ。はっきり言うけどここで籠っても簡単に鍵開けれるんだぞ?他の奴はお前に気を使ってるけどな?俺達は付き合う必要ないであけるぞぉ!」

「ライコフ少佐すみませんが今の俺はここをテコでも動きませんそれとボスには伝えてください。俺を集落の人達に受け渡すか…処刑してください。」

「そういうのは自分で言えよ。」

もう、嫌だ俺はそう言う前にドアは中に舞っていた。

「処刑してくれか?君は私の部活だが死ぬことを許すと思っているのかな?そもそもお前はメイを死なせたことを悔いているだけじゃない。気づいたんだろあの双剣使いがやったことは自分がやったことと同じだといたずらに力を振るった結果そしてその先を理解した。」

そうだ自分のやったこととあいつがやったことは同じだ。例え姿が違っても俺は殺しを楽しんだ。

「君は今までどこか現実だと思ってなかったんだろ。だから理性ではなく極端な本能を優先させたんだよ。」

「ならなんで俺を生かすんです?俺は人間のクズみたいな人間ですよ?」

「君は、後悔しているしなにより罪償う覚悟はあるだろ?」

「覚悟なんてない!俺はもう嫌なんだ何もかも…逃げ出したいんだ…」

「逃げたいか…なら逃げればいい。選択するのは君だ。ただ、メイの最後を看取ったのも最後の言葉を聞いたのも君だということはわすれないようにね。じゃましたね。」

言い終わると部屋をでていったボスの素っ気なさにライコフ少佐は

「うん?おい終わりか?ボス?まてって」

と完全においていかれた。 だが俺はメイの最後の言葉を思い出していた。

メイは最後俺に平和を知っているからなんて言っていたが平和なんてよくわからない遠くの国の戦争で誰かが殺されたり殺しても関係ないとしか思わない。平和の式典の価値は大人に近付けば興味すら失う人間が増えていく。それが日本で過ごす奴の大半だろう。だが、ボスはそれとは違うのか?

最後に確かめなきゃいけない気がした俺は部屋を飛び出した。

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