番外編勇者NYにて散る(精神的に) 後編

隊長が、解析した資料によるとハルカが最後といった理由は彼女を実験台としたある計画の最終段階であり彼女はその前に俺に会う許可をもらい日本までいったようだが肝心の俺は死んでいると言われ失意のままA国に帰ってきてきた。

その後は今日あった通りらしい。

「でも、計画が成功したとしても連合国にもこの星にとってもさほど影響無いのでは?」

「この星にはやっかいだろうよ。要は超人で魔法が使えるやつが量産できてしかも自分達には逆らわないなんてのができたら敵がいなくなるてことだからな。」

ライコフのおっさんは相変わらずのヘラヘラとした言い方だがおそらく隊長以外なら一番状況を把握しているのだろう。

「それにこれが成功すると魔法が使える可能性のある子供を誘拐して自分達に都合のいい存在にしようとするバカが増えるからね。こういうのは早めに処理するのが一番いいてこと!」

しかし、これが非正規の組織がやっている規模ではないことは隊長も理解しているはずつまり場合によってはこの国と一戦交えることにもなりかねない。まぁ滅びるのはこの国の方だから何も問題無いかもしれないけど。

「そうそう移動する前にいうけどゴーストがハルカちゃんと戦って助けるてことで頑張れよ勇者様。」

その瞬間、部隊の連中がおもちゃを見つけたかのような喜びに満ちた笑みを浮かべてきた

嘘だろ?なんでいつもこういう役回りなんだ!?



「1人になったところを狙ってつれてくるだけだというのに失敗するとはどういうことだ!しかも対魔法戦が強いやつを選出したはずだろこれでは奴らにここを知られるだけでなく襲撃されるかもしれないんだぞ!!」

「所長落ち着いてください。」

「これが落ち着いていられるか!」

「所長ここは核戦争が起きたとしても破壊されない隔壁のある地下施設ですよ。たとえ連中がきたとしても防壁は突破できず迎撃システムで撃退できます。問題はありません。」

そう問題は無い。だがあいつの性能を完全に把握するにはそれ相応の検体が必要だ。

聖剣と魔法を高レベルで使い、身体能力も一般人よりも優れている。これから先、実戦で使うならこれくらい奴くらい倒せなければ使い物にならない。

仕方がないここはテロリストか麻薬カルテルにあいつを襲撃させて性能評価といこう。



ヘリでの移動だと敵に気づかれるという理由でギリギリまで接近したら車に乗り換え敵の本陣まできたが…荒野のど真ん中についてしまった。

「さて、地下に向かうとしてこの分厚いのぶち壊すか。」

「地下ですか…ありきたりですけど何の防備もしてないわけ無いですよ。」

「だろうな、まぁ面倒なのはこっちに任せて姫様助けにいけよ勇者様~」

「そうだぞ。顔だけ勇者」

「色欲勇者ぁ~」

「勇者(仮)頑張れぇ~」

強化外骨格を装備し終えた連中がバカにしながらでてきた。

すでに隊長が俺を指名してしまってるのでハルカの相手にすることが決まってるので他の連中は他の実験台にされてる人達の解放のみを担当する。

ハルカの相手だけなので簡単に思うかもしれないが回復魔法があるのに怪我をさせたら隊長のサンドバッグにさせられる上計画の要なのでかなり強くあの聖職者よりも強いのは確定ある。

すでに聖剣やビームサーベル、銃は使用するわけにはいかなくなったがどうするか考える暇もなく地下への入り口を一撃で開け次々に入っていくので行くしかなくなった。

「ええい、ままよ!!」



迎撃部隊を送り込む前に隔壁を壊された。

しかも、あんな小僧に一撃で完全破壊されてしまうなんて誰が思うだろうか。

あの小僧がどれだけの力を秘めているかはわからないがほしい。

奴さえ手に入ればこの世界は大統領…いや俺の思い通りになる。

うまくいけば世界の王に!

「所長!このままでは研究成果もデータもすべて失われてしまいます!何か対抗策を講じないと。」

「ハルカを使う。もちろん完全武装させろそれとあのガキは殺さないように通達しておけよ。貴重なサンプルになるからな。」

「了解です!」

「…あのガキの顔みたことある気が…気のせいだな。」


地下に突入してすぐ部隊はふたてに別れて行動することになった。

といっても俺と隊長のツーマンセル以外の人間が実験台にされてる人の救出とデータの破壊と持ち出し阻止。

俺達はハルカの救出と迎撃部隊を蹴散らすことをやるのだが隊長は出会っては投げ出会っては壁にめり込ませとことん敵兵がかわいそうになることを行う。

もちろん敵も反撃はしている。

時たまパワードスーツみたいなのを着ているやつもくるが蹴りの一撃で終わるので隊長は不満があるようだ。

「耐久力低いから力かけすぎるとこいつら死ぬからめんどいなぁ…」

「そんなこといったらかわいそうですよ。彼らは必死に任務を果たそうとしてるんですから。めちゃくちゃ弱いですけど。」

「そろそろ他んとこは制圧してるとは思うけど残りはハルカちゃんだけだね!」

にこやかに圧をかけてくる。

やっぱりこの人S気質なのか?

それとも好きな相手の前だとM気質に変わるのか?とにかくハルカを倒して捕まえればすべて解決して帰れるのだと油断してしまった。

腹部に強い衝撃を受け壁まで吹き飛ばされ追撃がくる。

「冗談きついぜ…絶対つよいじゃん!」

なんとか追撃は回避したが天井まで亀裂が走っている。これを素手で相手は自信ないな。

というよりハルカの格好がなかなか…ほぼ大事なとこしか隠して無いようなスーツであるうえかなり大きい…おっと、何かしらの強化装置が各所にあるのはわかる。とにかく避け続けチャンスをまって一撃で気絶させると考えながら跳び蹴りを避けるが続く回し蹴りは避けきれず顔面に食らってしまった。

決してガン見したわけではない。

ハルカは追撃ではなく魔力を収束させているが魔力砲撃よけられ様な体勢じゃねぇ!

すると隊長が一言

「見るハラってのがあるからこれからは注意しろよぉ~」

今いうんじゃねぇという前に視界がホワイトアウトした。



その後、魔力砲はギリギリ耐えたが防戦一方なうえ決め手が無いという詰みに近い現状である。ちなみにライコフ率いる別動隊はすでに目的を達成しているので隊長と合流として観戦しながらヤジを飛ばしてくる。

「そこだ右フックだ!」

「違うアッパーカットだ!」

「違うわよ!魔力で刃作って切り刻むのよ!」

「決まり手予想のかけ終わるぞぉ~」

「ほいっ、フルハウスてことでちゃんとドルで払えよ。」

「ちょっと待ってよ5万一瞬でとられることになるんだけど!?」

俺に対する応援がないどころか意味深な賭け事が…ポーカーやってるよね?

こっちに対する感心ゼロなんですか隊長!

こうなると説得するしかないじゃなきゃ殺される。

「ハルカ!聞こえてるよな。俺だタクミだ!」

「……」

無視されるのはちょっと困るな…

「ハルカ頼むから聞いてくれ!こんなことに協力したら駄目だ!」

「タクミは、私が好きでこんなことやってると思ってるの?こうするしかないの…生きていくためにはしたくないことでも…」

言葉選びを間違えたか?でも反応したということは希望があるかもしれない。

「そうだぞ勇者様。」

「もう少し相手に寄り添え!」

ヤジ止めてください。こっちは命かけてんです。

「ハルカ…君がどんな目にあってきたかはわからないけど俺は君を助けに来たんだ。」

「助けに?無理だよ。私はタクヤ達を殺してあの子を捕まえるまで私は止まれない。ごめんなさい。」

会話をしているにもかかわらず動きが良すぎるおそらくあのパワードスーツもどきが何らかのコントロールを行っている。

魔力は彼女本来の能力だけどかなり多い部類かな?これなら後はパワードスーツもどきを壊せば解決する。

「ハルカ、我慢しろよ!」

「ダメ!タクヤ!」

ハルカが手刀から魔力刀を形成して切りかかってきたがヤジの入れ知恵のお陰で助かった。俺はハルカの手刀を避け後ろに周り腕を掴んでパワードスーツもどきの駆動部を破壊しハルカも解放されて終わりだと思ったのが良くなかった。今度はビンダを食らい一発K.Oその瞬間ヤジ席が沸いた。



「クソ!なぜだ!なぜこうなる!」

研究員も実験台も警備部隊もすべて奴らに制圧され残されたのは司令室だけだった。

「ハルカは我々の傑作兵器だったんだぞ!

やつならあの程度の戦力は簡単に無力化してあの小僧を捕まえれたはずなのになぜ!?」

「そりゃ無理でしょ。私が育てた部隊なんだから。」

いつ侵入された?というよりもなぜここに来た?まさか私を殺しに?

「待ってくれ。もう私は抵抗するつもりはない。」

「別に君たち雇われ者達にそこまで酷いことはするつもりはないよ。まぁ全員壁に埋め込むぐらいはしてもいいかも知れないけど…」

この小僧、我々のバックがなにか知っていて来たのか?なら奴ら敵国の部隊?いやならこんな危ない橋は渡らないはず。

「聞きたいことがあるんだよね。昼間の件とかあんたらにこの技術を提供した連中とかそれ聞いたらハルカ君連れて帰るから。」

「昼間の件?いやそれよりも技術関係は我々もデータは古いデータの復元と匿名で渡された物の混合だ。」

「やっぱりか…しかし素直にしゃべるね?」

「今、君が誰か思い出したんだよ。降参するから命は助けてもらいたい。」

「所長!?」

「OKぇ~んじゃサイナラ。」

軽い感じで返される言葉にはもう興味すらなくしている現れだった。だがそれは安堵するには十分なものだった。

「所長!いいんですか。これまでの研究成果をみすみす奪われてしまうんですよ!」

「滅ぼされるよりはましだろ?後は大統領が殺されないのを祈るだけだ。とにかく全員に撤退させるぞここの処分は奴らがやってくれるからな。」

この世には、逆らわない方がいい存在もいるたとえ自国の大統領が殺されるとしても。


地下から撤収する際パイプを見つけた為片手に持ちながらでるとライコフが待っていた。

「首尾はどうだライコフ?」

「ぁあ?タクヤの奴はハルカちゃんにビンタされてKOされた後寝技に持ち込まれながら結婚を誓わされてたよ。」

「あちゃぁ~計画通りとは言えもっとタクヤには男をみせてほしかった。」

「ちなみにどうなるのがお好みだったんだ?」

「キスで落とすとか?」

「ありきたりだな。」

ありきたりといわれてもそれぐらいやってもらわないと叔父としては困るんだ。

「大変だなぁ~父親が女遊びが過ぎるとどこに隠し子がいるかわからないからな。」

その尻拭いにわざわざこんな星に戻ってきたんだから。

「それよりも爆破の準備は?」

「すべて完了後はあいつに電話か?」

「そう!こいつと電話だけ!」

鉄パイプを投げ飛ばしながらそう応えた。



スマホが鳴るこの非常事態に面倒な。

「誰だ?この忙しいときに!」

「ハロハロ~忙しい理由は私でしょ?大統領?」

「まさか…なぜ貴様がいや、今回のことは私は関係ないのだそこの研究所の者が勝手に暴走したのだ。だから…」

「悪いのはここの奴らとでも?弁明するくらいならこんな研究所無くせばよかったんじゃ?」

駄目だ。釈明しても相手を怒らせるだけだ。

この男に対抗する戦力の育成の為に十数年費やしたのだ。今さら中止にはできないと思うと同時に窓ガラスが割れるほどの衝撃が来た。

「なんだ!?」

「大統領を守れ!」

SPや職員達が慌てる中、電話の相手は話を続ける。

「届いた?私からのプレゼントは?あまり私を怒らせるなよ?でないとぺんぺん草も生えない様な更地に変えてやるぞ。大統領…」

冷たい声色でそう告げてくる奴に何も言い返せずにスマホを地面に投げつけた。



どうやら隊長の電話は終わったようだ。

「タクヤもう離れない。これからはずーと一緒だよ?」

婚約者になったハルカはそういいながら腕を組んできた。

悪い気はしないけどいい結末ではないような

「離れないなら隊長と一緒に俺とこの星からでていくんだぞ?いいのか?」

「もちろんどこまでも!」

ハルカが元気よく応えた後に今度は隊長が

「さて諸君、帰るとしますか。我々の戦争じごくに!」

「「サーイエッサー!!」」

会話を聞いたハルカは嘘でしょという表情になった。

「大丈夫!すぐなれるよ。ハ・ル・カ」

言葉に偽りは無い。

だが洗礼は受けてもらう。たとえ愛してる女であってもそれが死を遠ざける方法だから。



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