第29話勇者もどきとJK和国漫遊記2

10時間にもおよぶフライトの末ようやく和国領空に入った。

着陸する飛行場は舗装されておらず地上からも上空からもただの平原に古民家と草木が生えてないどことも繋がっていない大きな道にしか見えず機体の収納のみが機械で地下に格納される方式のようだ。

前線ならともかくここは連合国の中心部わざわざ存在を隠す必要はないと思うけど凡人には天才の考えてよくわからねぇ。

連合国の首都への移動にはトラックによる移動でありボスと呼ばれる上層部の人間であっても護衛なしで移動できるのはボスの強さ故かそれともカモフラージュの為かその両方だろうけど。

「ここって地球でいえば日本に近いの?」

「形は似てはいるが大陸と繋がってたり海峡がもあっちよりは狭いよ。もっともこの星は大陸の形の方が色々違ってるよ。」

「前からちょっと疑問だけどなんで星ていってんの?世界て言わない?」

いつの間にか刷り込みなのかいつの間にか俺も世界から星て言ってたな。

「世界も星も動議だよ。そもそも地球以外にも知的生命体がいる惑星は多く存在するからね。科学技術も魔法も発展してる星間国家が最初に世界から星に定義して以降ずっと星が標準になったから私もまだ使ってるだけ。」

「その言い方だと宇宙人だったてことよね。

「そうだよ。私は地球育ちの宇宙人だよ。」

え??今まで普通に地球生まれの日本人だと思った。明らかにアジア系の顔で変な突起やしっぽもないのに…まさか

「え!?じゃあ今の顔はホログラムとかなの!!」

「いや、一般的に地球の人間が想像する宇宙人はいないよ。昔はいたとか?真偽はわからないけどね?」

ヒューマノイド型が中心なのかとなるとこの星は他の星に比べて珍しいんだな亜人種もいるから。

「あんたの故郷帰りたいとは思わないの?頭いいならできそうだけど?」

「この星からは今は出れないてのもあるけど…俺の生まれた星はとっくの昔に滅んだよ。どんなに科学が発展していても人が過った選択をすればダメなんだよただそれだけ。

ボスの過去には興味があるが声色からあまり踏み込むべき話じゃないことを察することができないほど鈍くはない。

「発展してるてSF映画よりも??」

このアマ空気読めよ!!JKはこういう時に無責任な言い方をするんだから!

ボスが答える前に連合国の本部がある町に入ったようで。

「すまんが話はまた今度な。本部についたら代表首長に会ってもらうからちゃんとしろよ?」

トラックから降りた俺が目にしたのは時代劇まんまの建物群と立派な城だった。



「完全に江戸時代ね…」

「あぁ異世界にきたはずなのにまさかタイムスリップだとは…」

「冗談言ってないで早く歩くぞ?」

この星の文明レベルはドーイ王国が中世あたりなのはみていてわかったが連合国の首都部ですら住民はまだこんな暮らしなのかと思うと全力で軍事に傾倒してるのか?

お城もお城でテレビそのものと言うことは代表首長も天守閣にいるんだろうなと思ってると案内されたのは神社のような場所だった。

「ここてどこですか?」

「本丸御殿だよ。挨拶しに行こうか。」

ボスが進んでいくので質問する暇もなく部屋に入っていく。

大広間につくと武士達がきれいに両端に整列しており奥には豪華な着物を着ている人物が座っていた。すると彼がしゃべり始めた。

「くるしゅうないちこうよれ」

ガチの殿様だ!!連合国代表首長て長いやつじゃない!殿様だよ!!!

「殿がこう仰っているんだはやくしろ。」

変なこと言ったり拒否したら叩き斬られるかもしれない。余計なことは言わずに指示にしたがっておいた方がいい。

「よくきてくれた。ソウタもタクヤもメグミも息災であったか?」

よく俺とメグミの名前も知っていたな。

というか息災て?

「息災てなに?」

メグミが小声で話しかけてくる。この状況でばれたら面倒なことになるだろ!

「俺が知るわけないだろ?」

「だって気になったんだもん。」

「タケル…これなに?まさかと思うけど暇なの??」

俺達の問答を無視してボスが話し始めた。

「相変わらず冗談が通じん男だな。そこの二人がお前と同郷だから反応を楽しみたかったんだよ。」

「いつもは軍服か制服だろ?わざわざ着物だしてきてこのために本丸御殿に来いっていってきたんだろ。」

「大切な行事では今でも着てるよ。」

えぇっとつまりドッキリだったのか?

これで無礼だとか言われて斬られたら笑い話にもならなかったから一安心だよな。

「あのおっさんが代表とかじゃないの?」

「貴様!どなたをおっさん呼ばわりしておる!!この方はこの和国最後の将軍である水上タケル様であらせられるぞ!!!」

最後の最後でJKが地雷を踏み抜き武士達が刀を抜き始める。なんか最近追い詰められるの増えた気がする。

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