第21話勇者もどきと副総司令

近々作戦を行う可能性があるため使用する武器の整備、点検を部隊総出で行う中俺は新品の刀の整備マニュアルを読んでいた。

そんなおれに話しかけて来たのは先刻愛刀になるはずだった刀を破壊したライラ中尉だった。

「その刀今度は大丈夫でしょうね?」

「大丈夫ですよ。片手で殴り壊す中尉の挑発に乗った自分が悪いですからちゃんと次からは強化魔法目一杯使いますから。」

「へぇ~生意気言うようになったじゃないのぉ~」

痛い痛いアイアンクローは止めて下さい頭が割れます。ちょっ!?ガチで痛いし持ち上げないでくれます!?

「姉御、新人いじめはいけませんよ。」

「そうですよ。このままじゃゴリラ女なんて言われて嫁の貰い手いなくなりますよ。」

「わかった。あんたら殺すわ。」

そういいながら、アイアンクローを解かずに大口径のリボルバーを抜いてガイと劉に向ける。

「おいおい仲間になんつうもん向けてんだ?あと女性に対してそんな言い方ぁ~…すんじゃねぇぞ。」

ライラ中尉はライコフ少佐の言う通りに銃をおろしたあとアイアンクローを解いてくれたが上官だから銃を向けないだけであり内心では俺達にやったようなことをしたいと思っているだろう。目は口ほどに物を言うを現実で実感する日がくるとは…



武器装備の整備点検が終った後ブリーフィングを行い作戦の目標の確認をやるそうなのだが確かボスは連合本部にいかなければならないと新品の刀をくれたときにいっていたのでこの基地の司令官とかだろうか?

「今回の作戦はボスが不在なんで通常は俺が指揮とって作戦の指令は基地司令官がやるのが普通なんだが副総司令が来てるみたいでな…あいつがやるんだと。」

「面倒なのが…」

「副司令てのがわざわざくるんですか?まぁ総司令が前線でるのもおかしいとは思いますけど?」

誰かが疑問に応えてくれる前に扉を開けはなってきた人間が大声で応えてきた。

「俺がくる理由はそこに女性がいるからだあぁ~。」

「紹介するぞ、タクヤ。副司令こと下半身で生きてる奇人だ。」

「俺の脳機能は股間にはねぇよ!!」

「よく言うよ…ボスにしばかれまくってる癖に。」

ボスの周りには変人しかいないのだろうかそれでもかなり優秀なのだろうが不安しかないこの作戦かつての俺みたいなやつじゃないよね?

「バカはほっといて作戦の確認を行いましょう。目標は…確か人身売買を数ヵ国でおこなってる盗賊組織よね。それだけなら陸軍の通常戦力でも撃退できるはずなのに私達がやるの?」

「元々はそのはずだったんだ。だが一週間前から首領が変わったようだ。しかも女…いやJKだ!」

「JK?あぁなるほど。」

「おい、タクヤJKてなんだ?」

隣のガイが質問してきた。そうかここにはまだ高等学校は無いし女子高生を意味するJKを知らなくても普通か。

「簡単にいえば15歳から18歳の女性が高校て言う学校に行ってる人をJKて言うんですよ。」

「つまり…お前と同じ異世界人が現れたてことか?しかもチート能力ての?持ってる可能性があるんじゃないのか?」

確かに自分と同じチート持ちの可能性があるとなると一筋縄ではいかない。

それで『Null』に作戦をやらせることになったんだな。

「彼女が組織を乗っ取ってから奴隷とされてた者にも強要して周辺の村から略奪を行っているようだがそのうち街まで襲撃の規模がでかくなる可能性もある。この手の案件は早めの終息が望ましい。ついでにJKにも興味あるし…もとい!治安安定の為に出撃してこい!」

この指揮官の興味はとにかく俺と同じ転生もしくは転移なら少し心配だ。

俺のような過ちを犯す前に止めないと!



「はぁ、なんなのよこの世界は。でもこの能力のおかげで食べ物は困らないし逆らう人間はいないけどもっと近代的な生活したいわね?変な噂話がほんとならこんな洞穴生活ともおさらばね。今から楽しみ!!」

夕暮れを見ながらそう私は呟いた。

この世界では私の思い通りの世界にするんだから。(お仕置きまで11時間と40分)


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