第24話勇者もどきとJKとガキンチョ

「ボス!逃げてくれ!あなたが『魅了』を食らったら最悪だ!!」

「もう遅いわよ!『魅了』!」

しまった!奴の能力が発動されちまった。

これではボスが敵に…

「『魅了』…洗脳系か悪いなのは効かないんでね。」

「はぁ!?」

無線で彼女の能力をおおよその予想だが伝えておいたから対策をやってきたんだな。

これなら安心して戦ってもらえる。

「ならこいつらにあんたを殺させればいいんだから!」

ボスに任せれば問題ないので俺は木上に退避していたがライコフ達や村人達には容赦なく投げ技や蹴り飛ばしたりして気絶させる。(それでも手加減している状態なのだが)

盗賊に対してはフェイントを交えつつ首絞めをして気絶させていく。

「偽善者なんだねぇ。坊やそんなクズども殺しても問題ないのこいつらは人を殺したり酷いことする奴ら死んでも誰も悲しまない。君が殺さないならこいつら同士で殺させるだけだけどね!!」

盗賊二人がたがいの剣で相手を斬りつけようとする前に魔力弾で破壊しつつ手刀で気絶させる。

「偽善者かどうかは知らないけど私は彼らを殺したくないだけだよ。それに彼らをクソと言うのなら君もだろ?お嬢ちゃん?」

盗賊達と『Null』の連中が全員倒れた今彼女だけで戦うことになる。

こりゃ降伏するしかないがここまで好きにやっている人間だおそらくボスに対して徹底抗戦する以外考えて無いだろう。

「何よ!軍人だから使えると思ったのにこんなガキ一人殺せないなんて無能ばっかりじゃない!?」

よく見た方がいいぞ。

背中に片刃の大剣背負って軽やかに動くのが普通の子供でいるとは思えないが頭が回らなくなったんだろう。

「もう諦めてあいつらの洗脳解いてくれないか?解かなくても後で元に戻せるから交渉のカードにもならないし大人しくすれば傷つけることはしないよ?」

「…!まだよ!こっちは数的有利だもの。」

数的有利…村人まで使う気かよ!

盗賊はともかくライコフ達は戦闘のプロそいつらが一瞬で片付けられてるのに民間人ならもっと無理だと気づけないのか?

そんな風に呆れ始めると。

「あんたこそこいつら全員が自殺するのは防げないんじゃない?死なせたくないなら守って見なさいよ!!」

前言撤回、このアマ勝てないなら人質使う作戦に切り替えやがった。

どうする?奇襲を掛ければスキが生じてボスなら一撃いれられる。だがその分気づかれれば村人達が危険にさらされる為に迂闊に行動できなくなっちまったじゃねぇか!

村人達が各々の武器を別の人間に武器を向け今にも斬りかかりそうになっている。

「ガキの癖に生意気なことするから今から村人が死ぬのこうかいィ!!?」

JKが言い終わる前にボスは大剣を抜き剣を地面スレスレでおもいっきり振り上げると砂を巻き上げた突風を村人達に放った。

「こんな古典的な目眩まししても無駄よ!」

いや、目眩ましが目的ではないのだろう。

おそらく村人達が砂が目や口に入るのを防ぐ動きで攻撃を遅らせつつ接近する為なのだろう。事実ボスはすでにJKの目の前まで接近し終えているし。

「人質とる考えはいいがね?そういうことすると人質優先で君が殺される可能性もちゃんと考えるべきだよ?」

「偉そうに説教すんなクソガキぃー!!」

JKは忍ばせていたナイフでボスに刺し突こうとしたが片手でつかみながら

「私25歳だからガキじゃないよ?お嬢ちゃん!!」

もう片方の手でデコピンを食らわせるが普通のデコピンとは威力が違い後方にあった民家まで吹き飛ばし女性としては恥ずかしい格好で気絶することになったが少しだけ見た後に俺はボスのとこに向かったのだった。



その後魅了状態が解除されていなかった人々はボスが大剣の峰で小突き正気へと戻していったが盗賊達は解放された時点で栄養失調の状態でありヘリにて搬送された。しかし、何人かは助かる見込みがない上彼らの首領は洞穴の奥に埋葬されていることが判明した。

JKの方は気絶している間に魔力の使用を封じる手錠と猿ぐつわを咥えさせた状態で俺達と同時にヘリで回収された。

ヘリのなかで気になったのは連合における首都と言える和国からここまでは5千Kmあるのにこれたことだ転移魔法でも使ったのか?

「ボスて転移魔法つかえるんですか?」

「使えるけどタクヤにマーキングはしてないから転移できなかったけどね」

「ならどうやってここに?」

「そのうち人工衛星を打ち上げる基礎実験のためにロケット使ってたからそれに便乗したんだよ。実験も成功したからよかったよ。」

それなら納得だが途中切り離しでここまでうまくこれるのかな?まぁ詳しくないし専門的な内容多そうだから気にしないどこ…後に発射前のロケットに強引に乗っかり俺達の近くで飛び降りたという杜撰かつ無謀なやり方だったと知るのは次の日のことである。








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