第34話元勇者成長を感じず
どれくらい滞在するか最初に聞いていなかったが釣りに行った日以降の2日間みっちり剣術を叩きこまれた。正直しんどいの一言だったいくら竹刀とはいえ当たれば痛いそれを連続で食らう。
後は抜刀術と彼が得意な剣技を教えてもらったが徹底的にしごかれたせいか身についた気がしない…ほんとに強くなれたのだろうか?
「あくまで訓練は訓練だよ。実戦の経験が多ければ多いほど獲られるものは多くなるよ。
」
タケルさんからのアドバイスを聞いてもいまいち自信がわかない。
「ゴーストが強くなったかは結局実戦でしかわからないってことだな。」
ボスも身も蓋もない言い方してくる。
「元々肉体的には強いんだから後は技能の問題でしかないんだよ。そのうち機会がくる
さ。」
機会がくるようには感じないよだいたいボスが片づけてしまう気がする。
そんな予感を抱きながらトラックに乗ろうとするがメグミがいない。
「ボス?メグミのやつがいないんですけど…なんかあったんですか?」
「あ~ぁメグミ君はここで医学を学ぶために残るそうだ。ゴーストには世話になったと言っていたよ。」
なるほど、顔すら会わせたくないからボスに伝言を頼んで自分はきっとイケメンに心打たれて離れたくないのだろう…別に悔しくもなんともないが少しくらいはデレて欲しかったな。するとタケルさんがボスに近づき話しかけなにかを話始めた。
「ところでメグミちゃんはタクヤ君になんで会いにこないの?」
「取りつかれてたとはいえいかにもJK見たいな振る舞いをしてしまったのが恥ずかしいんだと元々彼女はおとなしい娘でどんな顔して会えばいいのかわからないんだそうでね。
」
「なるほど、ならもしかしてタクヤ君に気があるのかな?」
「たぶんないだろう。んじゃタケル俺達は戻るよ。」
会話は聞き取れなかったけどなんか侮辱された気がする。
その後は飛行場までドナドナされながら10時間フライトするが気になることが一つある。それは聖剣の復活についてだ。
折れた聖剣を戻すのは連合の技術でも難しい
普通は奇跡でも起きない限り治らない剣は諦めるべきだが訓練前に聖剣のことを言ったり訓練で用意していたのも刀ではなく両刃のロングソードだった。
つまり二人とも聖剣の復活を信じているわけでそれには俺の精神的成長をすれば取り戻せると…結局精神論な気がする。
嫌な気分になりながら輸送機の外を見ると白いなにかがは降っている。
あれは雪?この星に来てから初めてみるけどそういえば地球は12月くらいか?
クリスマスシーズン到来か。地球のみんなは元気にしているだろうか。
俺のこと忘れてないといいな。
途中輸送機が着陸して物資の搬送を降ろすのに時間がかかるため少し飛行場に並列された
基地内の売店によることにした。
ここにあるのは軍の支給品だけじゃなく連合国ないで普及し始めた民生品もある。もちろん一番人気は民生品の酒だが大量生産品の酒は多いが味がまだいまいちなので地元の地酒が人気になりやすい。
まだ未成年なので酒を飲むことはなくても部隊の連中がよく飲んでいるため得た知識だが
関係ないから通り過ぎようとしたが見慣れない格好をした女性…いやあれはシスターの格好だな。彼女が馬鹿みたいな量のお酒を購入している。聖職がそれでいいのか?
すると彼女が俺に気づいたようで
「こんばんは?あなたこの辺りでは見ない顔ね?う~ん以外にかわいい顔してるわね?」
うわっ臭!酒を飲んで酔っ払っている。
「あなたほんといい男ねぇ~私といいことしなぁ~い。」
酔ってなければ喜んでだし美人でもあるから悪い条件ではないけど。
彼女がもたれかかってきたこれは間違いなくゲロコース!やばい逃げないと!!
「おぉオェェ!!」
お約束は避けられないこの旅の最後に学んだことだった…
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