第7話GW

【GW】


GWはいつも通り、俺のような1人者が出社。


家族持ち、彼氏もちはしっかりカレンダー通りお休み。


という事は裕子さんのお相手も家族持ちでお休みだから俺と同じく出社組。


年末年始ほどじゃないけれど、銀行も取引先も皆休みだから結構暇、財務の島は俺1人、経理は裕子さんの他に課長と係長がいるけれど、2人は決算関係で出社しており、そちらで忙しくして、裕子さんのこと気にも留めていない、おのずと2人、雑談が始まる。


彼女に振られてから裕子さんと普通に話すようになって年末年始からよく2人で雑談をしたり、時々だけど一緒にお昼を食べたりするようになった。


ただ、普段は橘専務や齋藤部長の目もあるので、佐々木係長に言われた通り、俺からはあまり話しかけないけど、家族持ちの専務や部長は当然お休みで、気にする事はないから、この時は正々堂々と俺から裕子さんに話しかけるし、お昼とか、晩御飯を誘う事もあり、裕子さんも『一緒にどう?』って誘ってくることもある、一緒にいて話をしているととても楽しい。


それだけだと、不倫をしているような人には思えないけど、どういう人が不倫してるかなんて俺にはわからないから、こんなものなのかと思う半面、この人がそんな事?


俺に対しては、すごく気さくというか話しやすくて良い印象なのにな~って思う。


実はあれから、裕子さんのマンションにまた泊めてもらった。


うちの会社は3月決算で4月5月は忙しい、経理は6月の株主総会まで忙しいけれど、財務はGWまでがピーク。


財務の皆は、なんとかGW前に目途を立ててGWは暦通りに休みたいから、皆4月は地獄のように忙しかった。


その日もなんだかんだ言って気が付けは夜の12時、完全に最終電車には間に合わず、会社に泊まろうと思っていた所、裕子さんもその時間に居合わせて、


「高谷君、今日は会社に泊まる?」


「はい、最終に間に合いそうもないので、このまま会社に泊まろうと思ってます」


「じゃあ、うちにくる?」


「えっ?いいんですか?」


「この前も泊ったんだから、いいのよ」


「はい、ありがとうございます」


よくIT系の会社でSEとか 徹夜する事が多い人達は寝袋を会社においておく、と聞いたことがあるけれど、経理、財務は基本最終電車に間に合うように帰っているからそこまでは用意していなくて、応接室のソファーにでも・・と思っていたので、うれしくて、思わず裕子さんのお誘いに乗ってしまった。


一緒に裕子さんのマンションに向かって歩いて行く、


裕子さんのマンションは会社から歩いて行ける所にあるけど、そこは風俗やラブホ街を通り抜けるのが一番の近道。


裕子さんはいつもこの道を歩いているらしく・・・


2人でラブホ街を歩くって、ちょっとやばい・・・噂になって橘専務の耳に入ったら・・・そう思いながらも


途中で24時間スーパーによって、食材やビールやおつまみを買って裕子さんのマンションに行く。

このマンションは、立地から、そういう関係の職業の人が多く、またそういう人たちの需要もあって24時間スーパーがある。


裕子さんは橘専務と2人でこの道を歩いて、裕子さんのマンションに行くところを誰かに見られたのだろう。


元カノと別れて、泊めてもらった時は何も考えていなかったけど、今回は裕子さんの不倫相手が誰かわかっているから、裕子さんの部屋にはきっとそういう形跡があるんだろうなって意識してしまう。


そんな事を考えながら裕子さんと歩いていると、いつの間にかマンションに着いていた。


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