第49話お仕置き?
【お仕置き?】
あいつテレビで見たことがある奴だ、まだ若いのに、一代で富と名声を得たとかでテレビに出ていた。
典型的な成金。
周りの誰もがよいしょする、しまくって、それこそ何とかもおだてりゃ木に登るっていうやつ?なんでも自分の思い通りなると思っているんだろう
何かしてくるかもしれない。
今後近づけさせないために、先日お会いした弁護士の先生に電話をしてこのことを相談した。
弁護士先生曰く、そういう事を言っているのなら訴訟するのではないなら、売春斡旋行為をさせようとしている事を臭わせて先方の弁護士と話ができるとのこと。
話を聞く限り、世間知らずの、頭の中がお△な〇たけ、だから、直接話しても何も解決しないだろうから、先方の会社の弁護士と話をするとのことになった。
なにせ相手は得意げに、女性の価値は身に着けてるブランド品うんぬんで騒いでいるような有名な輩だから、よく帝王大入れたよな、よかった俺、高田大で。
(別に俺が帝王落ちて高田に行ったからというわけではない、両方受かっても高田に行くつもりだった……んだ……)
なんて余計な事を考えていると、先生は、先方の顧問弁護士は調べればすぐにわかるらしく、電話でだけど先生に正式に依頼して、
『後日お伺いしますのでよろしくお願いします』
と言ってひとまず電話を切った。
横を見ると裕子さんが暗い、せっかく2人指輪を買ってお互いにハメあって、楽しいデートだったのが・・・帰ってあっちもハメたいのに……難しそう、それより裕子さんを
「裕子さん」
「・・・・・・」
「いやな事思い出しました? 落ち着くまでどこかで休みますか? 俺は大丈夫です、ちゃんと側にいます、これくらいの事で俺の気持ちが変わらないですからね、だから裕子さんもゆっくりでよいから自分を取り戻してください、待ちます。」
「克己君・・・」
「ほら2人お揃い、もう夫婦です」
そう言って裕子さんの左手をとって、俺の左手と並べる
ぴったりくっついたまま裕子さんに
「この前、裕子さんから話を聞いてとんでもない奴だと思ってましたがそれ以上にひどい奴だったんですね、イヤな事を思い出したんですね、つらいですよね」
そう言って手をまわして強く抱きよせる。
「気にしないっていうのは無理かもしれないですけど、俺は何があっても裕子さんのそばを離れません、大好きです、今すぐにでも結婚したいと思ってますよ、だから俺の事は気にしないで、自分の思うようにしてください」
「・・・克己君・・・」
「はい」
「ごめんね」
「裕子さんが悪いわけじゃないんですから謝らないでください」
「・・・うん・・・でも・・・」
「昔のこと思い出したんですね。大丈夫です。俺がついてます。すぐに忘れることはできないかもしれないけど、俺が全部上書きします、だから・・・」
「うん」
「だから、大丈夫です。それをわかってて裕子さんにプロポーズしたんですよ、いつかこういう事があるかもって事ぐらいわかってて、それでも好きになったんですから、結婚したいんですから、だから俺の事は気にしないで大丈夫です」
「うん」
そうは言っても、すぐにいつもの裕子さんに戻るわけでもないので、このまま2人で帰って部屋に着く、ずーっと暗い表情の裕子さんをソファーに座らせて
横にぴったりくっつくように座って肩を抱き寄せる
「克己君、ごめんね・・・やっぱり私・・・」
「裕子さん、なんか変な事考えてませか?」
「・・・克己君」
「これ以上、この話をするんだったら、この前言ったお仕置きですよ」
「お仕置き?」
「はい、忘れましたか?」
「・・・ううん・・・でも・・・」
「どうしました?」
「いいの?」
「何が?」
「だって、お仕置きって、婚姻届けでしょ?」
「はい」
「それって、私と夫婦になるって言う事だよ」
「そうです、裕子さんと夫婦になる事です」
「それ、お仕置きにならないよ」
「そうですか?」
「うん、だって……」
モジモジする裕子さん。ちょっとだけだけどいつもの裕子さんに戻ってきた。
6歳年上なんて思えないくらいかわいい
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