第18話クリスマス
【クリスマス】
またいつもようにクリスマスは2人で残業だけど、今年は、勇気をだして、お願いして裕子さんのマンションで家飲みクリスマス!
クリスマスイブの日の職場は家族持ちや彼氏持ち、彼女持ちなんかは、定時を過ぎると帰りだして19時にもなると事務所はほとんど人がいない状況。
窓の外を見ると、廻りはカップルや、これからの飲みに行くのか男女のグループがわいわいがやがや、ニコニコしながらそぞろ歩き。
あ~あ とため息をついて、でも俺は・・・
会社で軽く夕食と思い、裕子さんにも声を掛ける。
「裕子さん、これからコンビニ行きますが何か欲しいものありますか?」
「何買いに行くの?」
「小腹がすいたのでサンドイッチとおにぎりです」
「そう、じゃあ私もサンドイッチお願い、具はまかせるから」
「はい」
そう言ってコンビニに行き、2人分のサンドイッチやおにぎりを買って、会社に戻ろうと信号待ちをしていた。
その交差点の脇にあるある宝くじ売り場のおばさんが、俺を見て「今日は一粒万倍日だよ、年末ジャンボ宝くじはどう?」と言ってきた。
というか俺に言ってきたように見えた・聞こえた。
この時はほんと不思議な雰囲気で、
おばさんが俺の目を見て、俺1人に語り掛けているんだ、あんなに人がいっぱいいる中で・・・・不思議な感覚、それは高校生の時に読んでいたコミックの異世界転生みないな・・・訳ないけど。
宝くじなんて買った事がなかったけれど、クリスマスで俺と同じような世代のカップルであふれているところに1人コンビニ袋を持って会社に戻ろうとしている自分が・・・・ちょっとみじめで・・・・そんな俺に声を掛けてくれたと思うと・・・吸い込まれように、こっちも思わず「一粒万倍日って何ですか?」
「そのままだよ、一粒が何万倍にもなるっていうめでたい日、宝くじを買ったお金が何倍にもなるっていう意味なんだよ、どう?」
「じゃあ、宝くじください」
「何を何枚?」
「えっ?」
「お客さん、宝くじ初めて?」
「はい」
「1枚でも売ってるけど、たいていね連番とかバラで20枚とか30枚とか、そんな感じで買うのがふつうよ」
「そうなんですか、どっちがいいんですか?」
「そうね、1等前後賞狙いなら連番、そうじゃなかったらバラって感じ」
「じゃあ 連番で30枚?でしたっけ? ください」
「はい 9,000円」
「えっ 9,000円?」
「そうよ」
「そんなにするんですか?」
「そんなもんよ」
まあ、毎日こんな生活だから、お金はほとんど使わないっていうか、クリスマスの出費もない俺には9,000円くらいいいか と思って、宝くじを買ってスーツのポケットに入れた。
「当選おめでとう」背中から、若い女の人の声・・・そのおばさんの声と違うよな・・・でも確かに聞こえた・・・・
いや~まだ当たってないけどね、それと、ありがと、 と思いながら、会社に戻った。
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