第54話ちゃんとプロポーズを

【ちゃんとプロポーズを】

引っ越しまであと1週間

チュンチュンいつもの朝~

2人とも、そんな恰好なんだけど、

「裕子さん、またこんな格好でなんですけど、俺・・・僕と結婚してください」

「はい」そう言ってうっすら涙を浮かべて俺にキスしてくれた。

当然勢いで・・・昼~チュンチュン?

本当は、どこかのレストランか何かでディナーを食べて、指輪を差し出してプロポーズするのがかっこいいんだろうけど、俺達はもうこんな関係だし、一緒に住んでいるし、そういうのは、後で改めてします、と言ったら

『別にいいよ』って

『でも、やっぱり、やりたいです』

『うん、わかった』

実はしっかり予約していたんだけど。

俺自身が待ちきれなくて、朝の裕子さんがあまりにもかわいくて愛しくて、思わず言っちゃった。

その日の夜、ホテルの最上階のレストランで

『裕子さん、僕と結婚してください』

そう言って、本来は指輪なんだろうけど花束を、そしてお店の人にお願いして、裕子さんが『はい』と言った瞬間、お店の皆が出てきて『おめでとうございます』と言って拍手!!!

裕子さんが、『おめでとうございます』を聞いて泣きだして、びっくりしたけど、それからは終始笑顔で、俺はうれしくてうれしくてにやけっぱなしの一日だった。

実は一粒ダイヤのよくテレビとかでも見るような婚約指輪を買おうと話したところ『あれって使えないのよ』

さすが×2 とは言えなかったけど。

そういう事で、この前一緒に買って左薬指にしている指輪はそのまま結婚指輪に、その代わり、右手の薬指にいつも付けるとかで・・・ちょっと派手だけど・・・銀座でダミアンとかの高いのを買いました。

だから、プロポーズは花束に。

 引っ越しも無事終わり、一応新しい新居からの出社、いつもと同じく2人でお出かけ、2人で残業、2人で帰る。

そして2人でお風呂、ベッドは1つ!!

部屋は広くなったけど、俺がいつも裕子さんにべったりで、引っ越す前と変わらなかったりして、裕子さんがお弁当を作ろうか?って言ってきたけど、俺は2人共働いてるし、その時間があったらベッドの中で一緒いたいって、わがまま言って、今までどおり外でお昼。

夕食も、帰りは2人とも遅いから、裕子さんが料理するには大変って俺が言って、それでもつまみを1品作ったりしてくれて、それじゃあ休みの日はちゃんと作りましょうという事に。

一応住宅街、近所に24時間スーパーはなくて普通のスーミットというスーパーがあるので、休みに1週間分の食材やらビールやら色々買って、足りないときはコンビニ。

もう完全に新婚生活。

休みの日、2人でソファーでイチャイチャして、夕方にスーミットで買い物して、夕方から2人でキッチンで夕食の準備。

俺は大学1年から1人暮らしをしていたけど、ほとんど外食、金がないときは学食、それ以外は高田飯、夜はコンビニ弁当だったから何も作れない。

でも裕子さんと一緒にキッチンにいて、何か手伝いたいとお願いして、お米を研いで炊飯器をセットしたり、包丁はまだ無理だからと言われて、卵を割ってかき混ぜたり、皮むきを使ってジャガイモやニンジンの皮を剥いたり、そんな事ばかりだけど、裕子さんの隣に立って一緒に夕食の準備をするのはとても幸せ。

裕子さんが

「あのね、隣に旦那様がいて一緒にお晩御飯の準備をするのってこんなに楽しいんだね、すっごく幸せ♡」

「はい」

「私、こんなの初めて」ポロリ、そんな一言。

「俺、裕子さんと一緒にこういうことするのって、夢みたいです」

「そう?」

「はい、ずーっとこうしていたいです。何歳になっても一緒に作りましょう」

「うん」

ホワイトデーに付き合うことになってから、何とか裕子さんに俺を見てほしいから、と思って色々な所に裕子さんを誘ったり、GWに旅行に行ったり、いろいろがんばって、お出かけしたりしていたけど、名古屋事件で2人の仲がはっきりしてからは、俺も余裕ができたというか、お出かけするのもいいけど、こうやって2人で部屋でイチャイチャするのがとっても楽しい。

GW代休や長期休みは小旅行、時々2人でお出かけくらいがちょうど良いって言ってくれて、俺もそれくらいがいいかなって思っていたのでそのまま言うと

「そうよね」

「はい」だって、俺、裕子さんとイチャイチャしているうちに我慢できなくなって……そういうのって外ではできないから、だからこの前の夏のホテルのプールみたいじゃないとまずいです…….

それとなく裕子さんに言ってみたら

「克己君のスケベ」

「……すみません」

でもそう言ってキスしてくれる。

ずるいよ、もう好きすぎて好きすぎて、どうしよう


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