第42話2人一緒

【2人一緒】

昼前に名古屋支社に2人で出社すると、齋藤部長が俺を、すっごい顔をして睨んできた。

「お前は確か、財務の人間だな、どうしてここにいるんだ!?」

「はい、橘専務から、いくら仕事とはいえ姪っ子1人で出張に行かせるのは心配だから、婚約者のお前が行って、業務のフォローしろと言われて来ました」

「婚約者~?!・・・いくら専務とはいえ、身内のそんな事で社員を使っていいわけないだろ」

「そうですね、でも有給をとって自腹で来てますので会社の経費は一切使ってませんからそれは問題ないと思います」

「じゃあ、外で待っていればいいだろ」

「どうせ行くんだったら、彼女の業務がうまくいくように、パワポの操作とか質疑応答のフォローは、経理財務の人間がいた方が良いだろうと橘専務も大谷経理部長もおしゃってましたけど、いらないと言うなら本社に帰ってその旨報告しなければなりませんが、よろしいですか?」

「もういい!」

  かなり屁理屈っぽくて無理があったけど、思ったより簡単に引き下がってくれて良かった・・・


午後からの説明も終わって、齋藤部長が裕子さんを夕食に誘っていたけど、婚約者がいるので、と言って断っていたけど、そんなのわかっているだろうに。

まだあきらめてないんだ、許せないな。


次の日も俺は裕子さんのアシスタントとして名古屋支社に出社したけど・・・2日目も午後からだったし、おまけに昨日と同じく1時間程度で終わっちゃったし・・・あいつ絶対企んでいたんだ。

俺達はギャアギャア騒いでいるあいつを無視してさっさと帰ることにした。


2人でビールとつまみと駅弁を買って新幹線の中でお弁当を食べながらビールで乾杯。

新幹線の中で

「あいつ、まだ裕子さんのこと、あきらめてませんでしたね」

「うん……」

「出社したら2人の仲を公表しますよ、いいですね」

「うん」

明日から2日間、公休だから、そのまま裕子さんの、マンションに2人で帰って・・・

あさ~、チュンチュン


ずーとべったり、これから必要なものを買いに行きたいと言うから一緒に買い物に出かけたけど、そのままずーっと一緒に住むくらいの勢いでYシャツやら下着やら両手いっぱいの服や雑貨を買って、裕子さんのマンションに帰ってきた。

2人とも何も言わないけどこのまま同棲する気持ちでいる。


俺の住んでるマンションは十分2人で暮らしていける広さはあるけれど、会社が終わる時間を考えると裕子さんのマンションの方がはるかに便利。


買った服やら雑貨の片付けが一段落したところで

2人で俺の住んでいるところに引っ越そうかと話していたけれど、当面は2人とも今の会社に勤めるので、しばらくは、この近所に2人で暮らせる部屋を探す、という事で話はまとまった。


あれから毎月マンションの家賃収入が俺の口座に入金されているので、残高がどんどん増えているから、その話をして、2人で住むマンションの家賃は俺が出すことで決まり、俺はいったん自分の部屋に帰って、必要なものを持って裕子さんのマンションに、本格的に2人で住むとなるとやっぱりちょっと狭いけど、まあ次の部屋が決まるまでの辛抱だし、今までもここに泊まっていたし、狭い方がくっついていられるし・・・

荷物は小さなチェスト1個分に抑えた・・・ベッドは当然1つでいいし・・・ね♡


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